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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

チューニングが狂いやすいのは誰のせい?

 いつの時代にも都市伝説とか巷の噂とか、どこまでがホントなのか、いやそもそもホントなのかデタラメなのかさえ怪しい話はあるもので、ギタ−についてもそれは例外ではない。カクカクってシカジカらしいけど、どうなの?ってな質問はよく出くわすけど、正直 ”これこそが正解で他は間違ってる” なんてことはないと思う。
 確かに間違っている情報も紛れ込んではいるけど、正解については、見る角度が違えば答えも変わってくるというのが本当のトコロじゃないかしらん。

 今回はそんな ”これってどうよ” 的な話をいくつかしたいと思う。明らかに間違っている事例もあるので、初心者の方には何か参考になる話があるかも。いずれも僕のささやかな経験に基づく物の考え方の一例に過ぎないので、あまり裏を取ったりしないように願いたい。”ああ、そんなんも有り?”くらいに考えていただければ幸いである。

 では最近訊かれた話から。ペグについて。

 かつて、クルーソンタイプとロトマチックタイプではチューニングの安定性に違いがあるように言われてた事がある。クルーソンタイプはチューニングが狂いやすくてロトマチックタイプは狂いにくいとかいう具合に。これが最近でも話に出たので、これについて少々。
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 この話は、かなり年季の入ったものには当てはまるかもしれないが、新しい物やまだガタの来てない状態では安定性に差は無いと思う。もちろん”ナントカタイプ”にもいろいろあるので、どっかの製品と日本が誇るGOTOHの製品を比較したら差が出る可能性はあるが、そうではなく、例えば共にGOTOH製のクルーソンタイプとロトマチックタイプで比べたら、ギヤ比とかグレードなど設計上における精度の違いはあれど、新品ならどちらもチューニングの安定性に差は無いんじゃないかな。強いて優劣を言うならペグそのものの頑丈さではロトマチックの方がタフ。ぶつけても結構平気だし。



 しかしこの話で問題なのは、チューニングが狂う要素は他にもたくさんあるのに、なぜかペグがまっ先に疑われる率が意外と高いコトである。本当の真犯人?は”弦の巻き方”が一番多いというのに!。これはかなりホント。
 この辺の一連の話はコチラhttp://www.runeguitar.com/SELFMAINTENANCE/anoakii.htmlを参照いただきたい。まあ、チューニングの狂いでペグが怪しい事ももちろんあるけれど、敢えて疑う順番を付けるなら

1位が弦の巻き方。2位がナットの溝(キツい、引っかかる等)。3位に弦そのもの(質とか折れ曲がりとか)。で、その次あたりにやっとペグって感じかな。

 その後もっと深みにはまっていく訳だがそれは置いといて、つまり結論は、ちゃんとしたペグならタイプでチューニングの安定性が左右される事はまず無い。但し、シャフトがガタついてくる頃にはロトマチックのが有利という程度だ。


 もういっちょペグ関連ネタ。最近各ペグメーカーではロック式ペグのラインナップは当たり前になって来た。スタイルとしてはペグの裏側からダイヤルノブを回して弦を固定するヤツが多い。確かに弦交換も楽だし便利。でも楽なのが売りって訳ではないよね。
 そもそもロックペグの狙いは、アーム使用時に弛んだ弦がキチンと元の状態に戻るよう、ペグポスト部への弦の巻き付けを無くす事。前述の弦の巻き方に対する究極の策になる。で、その辺を徹底すべく、ストラト系(段付きヘッドでペグ配置が片側6連右用)の場合、ロックペグへの交換時には、1、2弦用のストリングガイドも取っ払ってしまうという暴挙(!)も多くなって来た。
 しかし、ただ取っ払っただけでは1、2弦のテンションが弱くなってしまう。そこで、高音弦になるにつれてペグポストの高さを低くするという設計が主流になっている。これでいくらかでもテンションを稼ごうって訳。画像はGOTOHさんのH.A.Pという機能付きのマグナムロック。各ペグ毎にポストの高さを設定出来るのだ。
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 ちょっと補足しておこう。本来テンションとは”張力”、弦の張り具合を指すが、この場合はナットに掛かる圧力の意味も含んでる。ギタ−は2つの支点の間で振動している弦を音源としているが、その支点部分に付いている角度によって音色やサスティーンなんかが変わってくる。角度が緩いと弦振動はルーズなだるい感じになり、角度がキツいと振動はシャープになりハッキリした音になる。
 この弦の張り具合に関わる一連の事柄を全て、テンションが掛かってるとか掛かってないとか、キツいとか緩いとか、”テンション”という言葉を都合のいいように使っているのは僕だけではない...ハズだ。

 で、話を戻すとね、やっぱそれじゃ足らないと思うよ、特に1弦のテンション。ストラト系の段付きヘッドでは3弦でさえテンション不足気味なのに、更に細い弦と来ればより一層の角度が欲しい訳さ。テンション緩いとナット部で弦が鳴いたり、1弦なんかはピッキングの勢いでナット溝から外れてしまうケースもある。

 そんなこんな故、ストラトタイプのギタ−にロックペグを載せる場合、1、2弦用のストリングガイドは残しておいた方が無難である。不要なら引っ掛けなければよいだけの事だから。設計サイドが常に正しいとは限らないし、最終的に自分にとってはどうなのかで判断すべき事だと言える。

 てな訳でウチでは1、2弦のペグポストが低くなっていてもストリングガイドは付けるコトをお勧めしている。もちろん接触部分の滑りとかには気を配った上でね。


 最後に小ネタ。ペグを違うタイプに換えると音が変わるというのはホントである。但し、厳密には弦が巻き付いてる部分の質量が変わると音が変わるのであって、質量が同じならカタチが変わっても音は変わらない...と思う..変わらない..んじゃないかな...変わらないような気がする..かも? そんな気しない? あ、硬度とかで変わるかも...。

ん〜、こんな調子で次回ナットいってみっかね。

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by Rune-guitar | 2014-11-11 00:38 | guitar repair