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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

カテゴリ:guitar repair( 56 )

 大変申し訳ありませんっっっっ。工房の完成は9月25日頃かなどと言いつつ、まだ基礎しかできてませんっ。プレカットの為、工場で材料を加工してもらう工程が遅れてるそうです。今のところ完成は、10月10日から15日頃の見込みです。

 それにしても、完全ではないものの一応臨時の作業場はあるんだけど、効率の落ちる事と言ったらそりゃもう大変なもんで、半分くらいかなと思ってたら1/3くらいしか出来ないんだ、これが。まあ、作業場だけのせいじゃなくていろいろあるんだけど。

 工房が完成したらだれかお手伝いさん来てもらおうかな。1人じゃ消化するのにどんだけ時間かかるのかって。

 6〜7年前かな、ウチに修行???に来てた青年がおりまして。特にクラフト系の学校に行ってた訳でもなかったからまずは調整から入ってもらったんだけど、黙々と取り組む男でね。ただ言われた事をやるんじゃなくて、言われた事をちゃんと理解してやるから安心だったなあ。

 ”なぜそうするのか”。これを理解しようとするかしないかの差は大きい。”それ”がそうなってる理由を無視すると変なもんが出来る。模倣というヤツだ。理由を理解すればちゃんとしたもんが出来る。本物は必ず理由があってそういうふうに出来てる。リペアのツボだ。これを知らなきゃ直せないもんね。

 その彼も、もういい歳(失礼)かな。震災の時は大変だったろうけど、元気にやってるだろうか。

 また彼のような人材に巡り会えるのなら誰かに来てもらうのも良いのだけどねぇ。
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by Rune-guitar | 2011-09-27 00:04 | guitar repair
 え〜...大変長らくお待たせいたしました。あ、更新もえらい時間が空いてしまいましたが、それよりももっと重要な事。これをお知らせせずには、ブログ書くのも気が引けてしまった(言い訳)程の連絡事項。

 当工房の建て替え工事がようやく決まりました。一部お取引先様には現況を尋ねられても満足に答える事も出来ず、本当にご迷惑をおかけしました。いや、まだこれから工事なので今しばらくはもたもたしそうなのですが、完成した暁にはより良い仕事をより早く提供出来る筈ですので、あと少しお待ち下さい。

 それにしても、振り返れば業者さんと最初に具体的な話をしたのは2月とか3月頃だったかな。それからは書類申請と認可待ちでようやく昨日29日に最後の認可がおりた。いやはや恐るべしである。業務用の設備を整えるのに半年も待たなければならないようでは倒産する企業もありそうだ。さいたま市の方では1年待ったケースもあるらしいが、業績に問題は生じてないんだろうか。いやとにかくオソロシイ。

 そんなこんなで9月7日より工事にとりかかる事になりました。まずは10日〜2週間で箱が出来るそうなので、完成は9月25日頃かというトコロです。当初は5月に取りかかる予定だったのでそれに合わせて仕事減らしていただいたのに、申請でもたついてから全く先が読めなくなってしまい、一体いつ仕事減らすべきかも判らなかったから......

この一ヶ月、地獄を見そうです。

これが片付いたらなんか面白そうなネタ書きますね。
ではでは。
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by Rune-guitar | 2011-08-31 00:11 | guitar repair
 年が明け、早くも一ヶ月が過ぎてしまった。実はこのところ預かり件数がかなり多く、ちょっとキャパオーバー気味。ブログも放置プレイになってしまった。チェック入れてて下さった方には申し訳なかったです。ゴメンナサイ。

 そんなこんなの中、最近オクターブチューニングの話しをする事が何件か続いて、どうせならブログに書いておけば今後も役にたつかなと思い、今回のネタは ”オクターブチューニング” である。知名度の割にあまり内容が知られてない事ではNo.1かも。特に初心者の方なんかは、やり方はネット検索なんかで調べられたりするが、いざ作業は出来たとしても”何が変わったのか?”が判らないのではないかな。そもそもオクターブが合ってない状態がまだ認識出来てないとか。また、中級クラスの方でも”なんか合ってない”、”うまく合わせられない”みたいな場合も多いと思う。そういう方にも是非参考にして欲しい。

 さて、一般に知られているオクターブチューニングの概念は開放の音程と12Fの音程をちょうど1オクターブ差で合わせるというものだ。やり方についてはコチラを参照いただくとして、ここまではチューナーと必要な工具があれば初心者の方でも出来る。しかしそれは基本であって、欲しい結果ではない事が殆どだ。本来の目的は12Fの音程を合わせる事ではない。同時に鳴る他の音程(自分以外も含めた)とのインターバルを適正にする事だ。
 初心者の方の為に補足するが、チューニングのズレたギターでコードを弾くと変なウネリみたいなのが聴こえてキタナーイ音になるね。ちゃんとチューニングしてもあのウネリがひどい場合に”オクターブが合ってない”となる訳だ。弦を押さえる事によって生じる音程の狂いを修整するのだよ。

 話しを戻すが、12Fの音程が合っていてもそれで終了ではない。他のポジションが合ってるとは限らないからね。というか、まず合ってない。ギターの精度はそんなに高くない。もちろん弦も。そして弦を押さえる力もポジションによって変化するだろう。そういったトコロを計算にいれて自分にとって一番の妥協ポイントを探す。ここまでやるのが本当の意味でのオクターブチューニングだと思う。

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 さーて、さんざんエラそうな事を言ってしまったが、見合う内容になるかどうか。ここで、いつも僕がやっているオクターブチューニングの方法を紹介しよう。まず最初の画像はオクターブチューニングの基本概念だ。ギターは半音刻みで音階が変わっていく。これをクロマチック(半音階)という。こういうトコロの音程を測るにはやはりクロマチックチューナーが便利。因みに弦は新しいもの、ネックの反り、ナット、サドルの高さ、弦高は適正だという前提で話しを進めたい。画像はクリックすると全体が見れる。

 始めにチューナーを使って開放弦でチューニングしよう。合ったら次は各弦1本づつ12Fを押さえて音程のズレをチェック。サドルを前後させて調整。と、ここでひとつ確認。誤差がサドルの調整範囲内では修整出来なかったりしてないかな? そういう場合はセッティングそのものに問題を抱えてる事になるので、何がイケナイのか判らない時はプロに任せるのが無難だ。原因となる要素が多過ぎるのだ。

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 そして基本調整が済んだら次はチューナーを頼らず耳で判断していく。画像の赤文字は開放の音程、青は弦を押さえた音程、緑はハーモニクスでの音程だ。5弦開放のAだけはチューナーで確認する。
 例として、まず5弦5FのハーモニクスA音と4弦7FのハーモニクスA音を鳴らしてみよう。普通の開放よりも安定しているし、隣り合った弦との音程差が正確か耳で確認出来る。ここであまりに違うようなら、その弦とはオサラバした方が良い。

 次に今度は5弦5FのDと4弦開放のDを比べてみよう。5弦5FのDの方がビミョーに高くないかな?。押さえる力にもよるのだが、実際高めになる事が多い。こういう場合、僕は12Fよりも5Fの音程を優先する。使用頻度でいえば当然5Fだからだ。サドルを移動させて、これで4弦に対する5弦の微調整が出来た。
 ならば反対に5弦に対する4弦の微調整も行おう。5弦開放のAと4弦7FのAを比較して必要に応じてサドル位置を修整する。確認の為、5弦5Fと4弦7FでDのパワーコードを弾いてみて、前よりもウネリが減って綺麗な響きになってればOK。歪ませるとよりハッキリ判る筈だ。

 こんな感じで各弦とも隣あわせの弦を中心に開放やオクターブ違い等、あらゆるポジションでチェックと修整をくり返していくと、コードを弾いた時のまとまり感は格段に上がる。下の画像は12F以上のポジションでローコードのフォームを使ったチェックだ。この他にもいろいろ出来るので、皆さんも探していただきたい。

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 ただし、本来は平均律で設計されている楽器を純正律的にチューニングしている部分もあるので、アンサンブル等に問題が生じたらその都度変更修整していくのがよいと思う。そして最後に、これを言ってはホントにお終いだが全てのポジションで正確な音程が得られる事は有り得ない。あくまで妥協ポイントを探すのだ。

 あ〜長かった。読んでる方もご苦労様だよねェ。でも、きっと役にたつと思うよ。トライしてみてね。では。
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by rune-guitar | 2011-02-03 01:45 | guitar repair
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 ギターネタがご無沙汰してしまったが、インフォメーション。先月よりCurionの各モデル("Rock" "Classic" "Contoured")が、全て石橋楽器店池袋店さまにて店頭販売していただける様になった。変な話しだが、僕自身が複数本を同時に眺めた事が無かったので、ちょっと”おぉっ”と思ってしまった。
 で、せっかくだからHPの方ではあまり触れてないCurionのチェックポイントなんぞを書き連ねてみようかと思う。

 Curion。まず、これはブランドなのか、それともモデル名なのか?。メーカー名ではないぞ。ん〜、微妙だな...。そう、ヤマハさんのパシフィカみたいな関係だろうか。ブランドネームがそのままシリーズ名の位置付けになってるというか。僕の中では、Curionは設計を含めあのデザイン以外に有り得ないので、モデル名をそのままロゴにしてヘッドに冠しているというのが正確なトコロかな。ただ、ボディーのバリエーションがあるので、一応個別の名称も用意している。

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 "Rock"はCurionのスタンダードモデル。思えばCurionは、コンセプトからデザインからほぼ全て一気に決まっていった。こういう感覚は好きだ。あーでもないこーでもないって仕様を決めていくのと比べると、とにかくまとまりが違う。無駄というか中途半端というか意味無いというか、パッと見た瞬間の違和感みたいなものが無い。これは、物を創る人にはとてもよく判る感覚だと思う。そういう部分で "Rock" は一番煮詰まった感がある。原点と言ってもいい。

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 "Classic" は"Rock" のカラーバリエーションを考えてるうちに枝分かれしたモデル。木目物が欲しくてアッシュを使いたいのだが、マホガニーボディーの音は捨てたくない。加えて、Rockのプロトタイプを見た販売店スタッフの方からの“重い”という意見を反映させて、マホのホロウ構造、蓋にアッシュを使う事で決着をみたモデルだ。
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 そして "Contoured"。基本コンセプトから一番遠いくせに一番評判の良いモデル。いわゆる普通のボディーだ。この辺がちと悔しいトコロ。やっぱり御本家は偉大である。半世紀以上前に設計されたギターが未だ現役だというのがよい証拠か。


 しかし、僕が Curion でやりたかった性能面での一番のポイントは実はそういう所ではない。6弦3フレットG音の精度だ。普通、この手のトレモロ付きギターは大抵ここが合わない。1fのF音もそうだが、特にミディアムジャンボ級の高さのあるフレットが打たれてるとローポジションのイントネーションは間違いなくシャープしてしまう。これはロックナット等、ナット部での弦高が高くても同様。ブリッジ位置やナット位置等、設計そのものを変えない限りサドルでの調整は無理なのだ。これが一番なんとかしたかった。'50年代と'80年代以降の歪みだ。

 という訳でみなさん、Curionを試される時はローコードの G を弾いてみてね。アコギの様なコード感が感じられたら、それがCurionです。どうぞよろしく。
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by rune-guitar | 2010-12-09 00:34 | guitar repair
 前々回で話した円錐指板のR計算表。なんとかWEB上で公開出来ないのかなと思っていろいろ試行錯誤してみたけど、僕には無理そうなのであきらめた。仕方ないので、表計算ソフト上の見た目だけをJPGにしてみたよ。実際には機能しないけど、”こんな風に表作ってみてね”みたいなもんか。

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 簡単に説明すると、上の表がメインで、下の2つの表はサポート的なものだ。クリックしていただくと全体が見れる。因みに入力は全て左下の表で行うようにした。


 前々回でも書いたが、各ポジションでのRをはじき出すのに必要なデータは3つ。

 1つ目はナット部での1〜6弦間の距離。これが表のA欄に入る。

 2つ目はブリッジサドルでの1〜6弦間の距離。これはC欄に。両者とも実測値が望ましいが、一般的なギターの規格に照らし合わせたい意味もあり、それで左下の表を用意した次第である。ナット幅とサドルピッチを入力するとAとCに必要な数字に置き換えて入力される。

 そして3つ目は、基準値として12F上のRをE欄に。僕はリフレットの際に行う指板修整時、まずここを何Rでいくか決めてから作業するのでこれは実測値ではない。完成予想値とでも言うべきだろうか。ナットとサドルは後で調整が出来るけど指板上の部分はフレット打っちゃってからでは修整出来ないからね。

 右下の小さい表は単にインチとミリの換算用だ。左下の表で12Fの数値にはインチを入れるようにしてしまったので、ミリで入力したい時用に作っただけ。電卓代わりである。

 残りのB、D、Fの欄は入力の必要は無い。表を組み立てるのに判り易くしたかっただけなので、もし皆さんがやってみる場合には入力欄はいらない。
 各セルに入る計算式はパズルがてらに自分で作ってみていただきたい。A、C、Eの各欄に画像と同じ数字を入れるとあら不思議。各ポジションのR(インチの方)が、いやにキレイな数字で揃っちゃう。なんで? これ、偶然じゃなくて、なるべくしてなった数字だよね。 たぶん....。違う?

 判る方、ぜひコメント下さい。ん〜、なんか情けない。
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by rune-guitar | 2010-10-12 01:31 | guitar repair
 いきなり訂正。前回の記事で、”今時、円錐指板は当たり前”とか書いてしまったが、改めていろいろなサイトを見てみたら円錐指板である事が売りになっているモデルが結構ありまして...。てコトは未だに円柱指板のネックも多いのかな、なんて思った次第です。

 リフレットの時でも12F以外のRってあんまり調べないんだけど(必要に応じて程度?)、先日手掛けた某メーカーのエレアコのリフレットは見事に円柱指板だったんだよね。やっぱ結構あるのかな。

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 さて、そんなこんな中、遂にCurionのコンタード(contoured)モデルが完成。HPの方は更新にちょっと時間要るので、先にブログでお披露目しとこう。先行の "Rock" や "Classic" との違いは基本的にボディーだけだ。というかそもそもCurionの各モデルはそれぞれボディー違いなのだ。

 今回のモデルは、外見から想像する通りの音にしてみた。コンセプト的には少しスタジオワークを意識している。よりギタリスト向けというか、音を創り込む上ではあまりスタンダードなラインから外れていない方が仕事が早そう。そんな理由からボディー材にはアルダーを採用した。本当は3ピースを使いたかったんだけど、色見とか木目、重さ等から結局2ピースになってしまった。

 それと、基本以外の部分として、サーキットを少々変更。前2モデルのVolポットはノーマルのCTS 500K Aカーブ。底が平らでトルクの重い方を採用していたが、Newにはトルク軽めのCTSヴィンテージタイプ(いわゆるヘソ付き)500K A を使用している。そして、コイルバランサーポットもBカーブからAカーブに変更した。どちらも意味合いとしては、ライブ主眼からレコーディング思考へとシフトしたつもり。設計当初から迷ってた部分だ。

 そして、なんといってもボディー形状。個人的に60's後期の角張ったテレが好きだったり、ホロー構造の事なんかもあってCurionでは迷わずスクエアエッヂを採用したのだが、今回はプレイヤビリティー重視(&お店からの意見も)という事でラウンドエッヂにコンター加工付きのストラトチックなボディーになった。

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 それにしても、ボディー材ってやっぱり凄くキャラ変わるね。いやボディーに限らずネックもそうだし、判ってた事だけどそれでもね。こういう違いってなかなか試せないから、みなさんも是非弾き比べてみて下され。って、まだお店様にご案内差し上げてないのだが...。

ひとつ乞う御期待、よろしくお願いしますです。はい。 あ...でも、まだコイツ名無し..。
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by rune-guitar | 2010-10-02 16:34 | guitar repair
 久々の更新である。CurionのNewバージョンの完成を待ってからなんて考えてたら、随分と間が開いてしまった。もう、夏も終わっちゃうしね。時の過ぎるのは早いもんです。

 さて先日、某楽器店さまにてちょっとしたギター談議になった。指板修整時のRの付け方についてだ。大抵のスタッフの方とはあまりこういう話題にはならないものだが、中にはギター制作スクール出身のスタッフさんもいて、こういった方との会話はかなりマニアックになる。
 しかし、そんな話しをすると、結構自分の知識の曖昧さに気付く事も多い。このブログへのアクセスキーワードに、よく”指板R”とか”円錐指板”とかが入ってるが、この指板R、一般の方はどのように受け止めてらっしゃるのだろう。てな訳で、今回は指板Rの話しをしよう。

 今どき指板は殆どが円錐指板だと思うのだが、この円錐指板がどんなものかをご存知の方はどの位いらっしゃるんだろうか。初心者の方はまず知らなくて当たり前な事なので、基本的な所から説明してみよう。


2012.02.03 追記  次項2010.10.02の記事の冒頭でも触れてますが、”今どき指板は殆どが円錐指板”では無いようです。ちょっとややこしくなってしまいますが御理解の程、よろしくお願いします。
以下本文に戻る


 クラシックギターやスティールギターを除くほぼ全てのギターの指板には緩いカーブが付いている。もちろんこのカーブはただ適当に曲がっている訳ではない。真円の一部、つまり弧になっているのだ。それを数字で表すのに"R"という言葉を使い400R等と言ったりする。この場合、正しくは400ミリRだがインチ表記すると約16”R(406mmR)と桁が違うので単位は省く事が多い。Rは"Radius"(半径)の頭文字だ。つまり、400Rといえば、半径400mmの弧という意味だ。

 そして、このRはローポジションとハイポジションでは異なっている。ローよりもハイの方がRが大きいのだ。これが何故かを理解するには、ナット部とブリッジサドル部の弦間ピッチ(弦の間隔)の違いに注目すればよい。この両者が同じ間隔なら指板Rはローからハイまで均等でよい。円柱の一部を指板に見立てた状態だ。各弦の直下は真っ直ぐになる。

 しかしこれでは演奏性に無理がある。ナット側のピッチが広くなれば弦を押さえにくいし、サドルピッチが狭ければ指が入らないだろう。それぞれ使いやすい弦間ピッチがあるのだ。
 それ故、弦はナット側からサドル目がけて放射状に延びる事になり、それに合わせてRも大きくなっていく訳だ。これが円錐指板だ。古いギターには均等なRの指板も存在するが、仮に円柱指板(?)に放射状に弦を張るとどうなるか? 空き缶にでもスケールを当ててみると判るが、弦の直下は直線にはならない。逆反り状のカーブを描いてしまい、いわゆる真っ直ぐな状態というのが3,4弦の間のみとなってしまう。もしこんな指板修整をしてしまったら本末転倒だ。

 では、カタログ等に表記されている指板Rは一体どこの数字か?。僕は工場の経験は無いので定かではないが、おそらく12F上ではないかと思う。少なくとも僕はそう設定して作業している。そうするとナット部とサドル部でのRは果たして幾つなのだろう?。これが今回の本題でもある。

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 上の図は僕がイメージしてる円錐指板の原理だ。各ポジション毎にある三角形は、円錐の中心を頂点とした二等辺三角形になっている。底辺に当たるABは1〜6弦間の距離、AC及びBCはそのまま半径になる。それぞれの三角形は尺度の違いだけで同型なので、比率によって各ポジションのRが計算出来る。表計算ソフトで簡単にいろんなバリエーションの比較が出来るので、暇な人はやってみてほしい。必要なデータは

  1. ナット部の1〜6弦間の幅
  2. サドル部の1〜6弦間の幅
  3. 12Fの指板R

この3つだ。この1.と2.から12F上の1〜6弦間の幅が得られる(足して半分にすればよい)ので、これを4つ目のデータにする。因みに3.の12FのRだが、これは指板修整時に於いては後から変更が出来ない部分なので、基準値として決定してしまう。
 これで12Fでの底辺と二等辺の比率が得られる。得られた数値と求めたいポジションの1〜6弦間の幅から半径が出て来る訳だ。応用で5Fと24Fも計算出来るようにしておくと面白い結果が得られる。
 試しに1.に36mm、これはナット幅41mmから両端2.5mm引っ込ませた数字だ。そして2.に54mm、これはサドルピッチが10.8mmの時の数字。でもって3.に254mmR、これはインチなら10"に当たる。これを入力した時、各ポジションのRがインチ表示の場合、実にキレイな並びになる。なんでだろうなぁ〜。



 僕はそんなにアタマが良い方ではないのでこんな事で”おおっ”とか思ってしまったが、数学に強い人は鼻で笑っていただいて結構だ。多分計算方法ももっと簡単に出来るんだろうな。ま、人それぞれ。こんなささやかな事が楽しめる人生もそんなに悪くはない。お粗末様。
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by rune-guitar | 2010-09-21 01:04 | guitar repair
before
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after
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 おかげさまで、Curionの展示が石橋楽器店の池袋店様でも決まった。こちらでは"Rock"のホワイトがお試しいただけます。コチラでとてもカッコよく紹介いただいておりまする。是非、ご覧下され。

 一方、先に渋谷店様にて展示していただいている"Classic"も若干の変更をした。元々はP.Gに黒のベークライトを装着していたのだが、HP上で一番最初に発表していたモデル(プロトタイプ)と顔が違いすぎた。よりテレキャスターに近いイメージになっていた為、白いP.Gに替えようかと検討していたのだ。2枚目と3枚目の画像がその新しいツラである。

 しかし、P.Gでこんなに変わるんだなあと改めて実感した。フェンダーのコピーだと、仕様の違い=不自然みたいなところがあるが、Curionは完全なコピーではないので年代による特徴に縛られないのがいい。

 ん?なんかちょっとズルい? ま、ま、ま、音は別モンなんでね、みなさん試してくださいね〜。
 
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by rune-guitar | 2010-07-27 01:35 | guitar repair
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 Curionの"Rock"がようやく完成。4月から5月、6月とやたらメインの仕事(修理の方ね)が立て込んでて、先に仕上がった"Classic"から随分と間が空いてしまった。よくよく考えれば"Rock"は一番最初にHPで発表したモデルなのに、販売用の商品が今頃完成とは....。
 まぁいろいろ手直し入れたからなぁ。型も作り直してるしね。お陰で完成度は上がってるから熟成期間としよう。


 で、本日、石橋楽器店池袋店様にサンプルとして預けてまいりました。以前、エレキ担当者の方からお電話をいただき、出来上がったら見ていただく事になってたのだ。気に入っていただけるとよいのだが。

 元々、このCurionというギターは判り辛い所がある。フェンダー系のツラをしていながらそういう音しないし、スケールがちょっと短いとかヘッドにアングルが付いてるとかナットの位置が違うとかトーンじゃなくて変な物がついてるとか、説明されないとわかんないコトだらけだ。

 でも、鳴りというのか響きというのか、アンプに繋がず生で鳴らした時の音は少々特徴があると思うので、皆様もしチェックされる機会があったらまずアンプラグドで。ジャラ〜ンっていいます。
 あとチューニングね。コードのトーナリティーについては、ストレス溜まるトコなのでかなり意識してるつもり。ま、フレットがちとデカイので、グリップ強い方だと怪しくなるが。

 この2点については説明無しでも体感していただけるんではないだろうか?特に今までフェンダー系のギターを長く使われていた方にとっては判り易いと思うのだが、外見が外見だけに最もチカラを入れた部分が見えにくいというのはなんともモドカシイ。


 ん〜、まだまだ修行が足りんかの....?
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by rune-guitar | 2010-07-06 01:51 | guitar repair
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 Curionの "Rock" がようやくカタチになってきた。一体、何ヶ月かかってんだか。"Rock"はマホボディーなので、カラーはソリッド(単色ベタ)のみ。今回は'60年代後半から'70年代初頭のフェンダーに見られる白をイメージしてみた。

 このギターは構想から数えるともう4年くらい経ってるのかな?。その時、思い描いていた色が白なので、HPに載せてるプロトもこの色だ。まぁ、この色しか思いつかなかったというのもあるが...。

 しかし、フェンダーのこの白は経年変化でかなり幅がある。正式名称はオリンピックホワイトだと思うんだけど、クリームホワイトとかイエローホワイトとかヴィンテージホワイトとか、レプリカではいろんな名前が付けられてる程だ。なので、HPの物と今回の物は敢えて面を変えてみた。

 元々Curionはが経年変化が目立ち易いフィニッシュなのでエイジング自体は基本仕様なのだが、'60年代後半から'70年代初頭と言えばハードロックが全盛の頃だ。ガンガン使い倒された面構えのギターが多い。前回のアッシュトップのブロンドはちょっとお上品なルックスだったので、今回はがガッといってみる事にした。今後もこのギターを作る時は、一本一本同じ色見の物は出来ないんだろうな。


 さて、先の画像はほぼ大方の工程を終えて組み込み直前の状態。不思議なもので、ピックガードやその他のパーツの灼け跡なんかは組み上げたら判んなくなっちゃうのに、コレやらないと色見が掴めないんだ。雰囲気ってヤツ。人間の目って微妙な色は対比によって判断するトコロがあるからね。だからCurionの塗装工程は極薄を目指しながら、色見で回数を使ってる。

 まず目止め後サンディングシーラー。ボディーは無着色だが、ネックは目止めもシーラーもアメ色が混ざってる。
 次に着色。ボディーはアイボリーっぽい白。完全にベタにするには、ある程度の量を吹かないとならない。う〜ん、これは仕方ない。乾いたらネックも含め、各パーツを仮組する。灼け跡を吹くのだ。

 灼け跡(灼け色ではなく)はラッカーの量をかなり少なくして染料とシンナー主体で吹く。ラッカーが多過ぎると塗膜に段差が付くからだ。そして意外と淡い程度で充分跡は付いている。各パーツに付いた塗料はヤニ汚れ風になるが、かなり少量なので塩梅見ながら落としていく。

 さあ、ここからが肝だ。普通、灼けた色ってのはトップコートが最も変色している訳で、再現するには色付きのトップコートを吹く事になる。後で擦り減った部分を作る時にも理にかなった感じになる筈だが、それでは最終の研ぎ出しに都合が悪い。色落ちして欲しくない所が落ちてしまうかもしれないからだ。
 なので、ここは普通よりも薄いアメ色を、1回吹く毎に少しづつ更に薄めながら顔を作り、仕上げ吹きはほぼクリアーで。灼け跡からここまで殆ど中研ぎが出来ない(ペーパーの跡が不自然なグラデーションを作ってしまうから)ので、あまり間隔を取らずに最低限の乾燥時間で一気に吹いてしまう。こういう作業にはコンプは低圧の方が向いている。一回の吹き付け量が少なく、ラッカーの粘度をかなり落とせるからザラつきも少なくて済む。

 でもって研ぎだし。通常、研ぎだしは塗膜の痩せを待つ為1〜2週間くらい空けるものだが、極薄塗装の場合はシンナーが抜ける前の、塗膜に厚みがあるうちにさっさとやっちゃわないと研ぎ出す余裕が無くなる。だから目痩せが激しい仕上がりになってしまい、だからレリック加工にしてるのだが。




 さてさて、なんだか塗装の話になってしまったが、もうじき出来ますんでね。ひとつ宜しくお願いします。


あ〜、でもレリックもハードなヤツはキツいわ。
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by rune-guitar | 2010-06-26 01:19 | guitar repair