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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

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 年が明け、早くも一ヶ月が過ぎてしまった。実はこのところ預かり件数がかなり多く、ちょっとキャパオーバー気味。ブログも放置プレイになってしまった。チェック入れてて下さった方には申し訳なかったです。ゴメンナサイ。

 そんなこんなの中、最近オクターブチューニングの話しをする事が何件か続いて、どうせならブログに書いておけば今後も役にたつかなと思い、今回のネタは ”オクターブチューニング” である。知名度の割にあまり内容が知られてない事ではNo.1かも。特に初心者の方なんかは、やり方はネット検索なんかで調べられたりするが、いざ作業は出来たとしても”何が変わったのか?”が判らないのではないかな。そもそもオクターブが合ってない状態がまだ認識出来てないとか。また、中級クラスの方でも”なんか合ってない”、”うまく合わせられない”みたいな場合も多いと思う。そういう方にも是非参考にして欲しい。

 さて、一般に知られているオクターブチューニングの概念は開放の音程と12Fの音程をちょうど1オクターブ差で合わせるというものだ。やり方についてはコチラを参照いただくとして、ここまではチューナーと必要な工具があれば初心者の方でも出来る。しかしそれは基本であって、欲しい結果ではない事が殆どだ。本来の目的は12Fの音程を合わせる事ではない。同時に鳴る他の音程(自分以外も含めた)とのインターバルを適正にする事だ。
 初心者の方の為に補足するが、チューニングのズレたギターでコードを弾くと変なウネリみたいなのが聴こえてキタナーイ音になるね。ちゃんとチューニングしてもあのウネリがひどい場合に”オクターブが合ってない”となる訳だ。弦を押さえる事によって生じる音程の狂いを修整するのだよ。

 話しを戻すが、12Fの音程が合っていてもそれで終了ではない。他のポジションが合ってるとは限らないからね。というか、まず合ってない。ギターの精度はそんなに高くない。もちろん弦も。そして弦を押さえる力もポジションによって変化するだろう。そういったトコロを計算にいれて自分にとって一番の妥協ポイントを探す。ここまでやるのが本当の意味でのオクターブチューニングだと思う。

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 さーて、さんざんエラそうな事を言ってしまったが、見合う内容になるかどうか。ここで、いつも僕がやっているオクターブチューニングの方法を紹介しよう。まず最初の画像はオクターブチューニングの基本概念だ。ギターは半音刻みで音階が変わっていく。これをクロマチック(半音階)という。こういうトコロの音程を測るにはやはりクロマチックチューナーが便利。因みに弦は新しいもの、ネックの反り、ナット、サドルの高さ、弦高は適正だという前提で話しを進めたい。画像はクリックすると全体が見れる。

 始めにチューナーを使って開放弦でチューニングしよう。合ったら次は各弦1本づつ12Fを押さえて音程のズレをチェック。サドルを前後させて調整。と、ここでひとつ確認。誤差がサドルの調整範囲内では修整出来なかったりしてないかな? そういう場合はセッティングそのものに問題を抱えてる事になるので、何がイケナイのか判らない時はプロに任せるのが無難だ。原因となる要素が多過ぎるのだ。

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 そして基本調整が済んだら次はチューナーを頼らず耳で判断していく。画像の赤文字は開放の音程、青は弦を押さえた音程、緑はハーモニクスでの音程だ。5弦開放のAだけはチューナーで確認する。
 例として、まず5弦5FのハーモニクスA音と4弦7FのハーモニクスA音を鳴らしてみよう。普通の開放よりも安定しているし、隣り合った弦との音程差が正確か耳で確認出来る。ここであまりに違うようなら、その弦とはオサラバした方が良い。

 次に今度は5弦5FのDと4弦開放のDを比べてみよう。5弦5FのDの方がビミョーに高くないかな?。押さえる力にもよるのだが、実際高めになる事が多い。こういう場合、僕は12Fよりも5Fの音程を優先する。使用頻度でいえば当然5Fだからだ。サドルを移動させて、これで4弦に対する5弦の微調整が出来た。
 ならば反対に5弦に対する4弦の微調整も行おう。5弦開放のAと4弦7FのAを比較して必要に応じてサドル位置を修整する。確認の為、5弦5Fと4弦7FでDのパワーコードを弾いてみて、前よりもウネリが減って綺麗な響きになってればOK。歪ませるとよりハッキリ判る筈だ。

 こんな感じで各弦とも隣あわせの弦を中心に開放やオクターブ違い等、あらゆるポジションでチェックと修整をくり返していくと、コードを弾いた時のまとまり感は格段に上がる。下の画像は12F以上のポジションでローコードのフォームを使ったチェックだ。この他にもいろいろ出来るので、皆さんも探していただきたい。

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 ただし、本来は平均律で設計されている楽器を純正律的にチューニングしている部分もあるので、アンサンブル等に問題が生じたらその都度変更修整していくのがよいと思う。そして最後に、これを言ってはホントにお終いだが全てのポジションで正確な音程が得られる事は有り得ない。あくまで妥協ポイントを探すのだ。

 あ〜長かった。読んでる方もご苦労様だよねェ。でも、きっと役にたつと思うよ。トライしてみてね。では。
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by rune-guitar | 2011-02-03 01:45 | guitar repair