ブログトップ

Rune guitar

runeguitar.exblog.jp

ギターリペアと日々のコト・・・

<   2013年 05月 ( 2 )   > この月の画像一覧

 これからギターを始める人にちょっと役立つかもしれない話シリーズとりあえず完結編。

 僕が楽器店に勤めてた頃、初心者の方向けのセット販売用として必要な小物類をまとめたパックがあった。◯点セットとかそんな感じの。
 中身はシールド、ストラップ、ピック、クロス、チューナー...あとなんだったっけな。ま、どれも”まず最初に揃ってないとちょっと不便”みたいな物だ。

 これらはやはり一つ一つ良い物気に入った物を選んだ方が良いのだけど、その中で一つ。

チューナーのほかに音叉があると良いよ。

 今時って音叉でチューニングする人少ないのかもしれないけど、ギターってちょっと変な楽器で、チューニングが特殊なのだ。ピアノ等の鍵盤楽器ともヴァイオリンやチェロ等の弓弦楽器ともちょっと違う。フレットを持つ弦楽器は全て皆、この問題(?)を抱えているのだよ。


 そもそもチューニングには”純正律”と”平均律”の2種類がある。本当はもっとあるらしいが、くわしい事はwikiってもらうとして、大きな違いは和音の綺麗さというか揺れの無さ。純正律はこの揺れが非常に少ないのだ。

 簡単に適当に説明すると、純正律は基準の音に対してぴったり調和する音程ばっかり使っている。例えばドに対するミやソはそこらへんにあるミやソとはちと違う、ちゃんとキレイにハモるミやソなのだ。ただ、その厳選された各音程のお陰で基準音(調:キー)が変わるとメタメタになってしまうのだが。

 対する平均律はその問題を解決すべく、ハモリの綺麗さはそれなりだがどんな調でもこなせるようにどの音程も純正律とは微妙にちょっとずつズレている。というか何処から見ても等間隔みたいな風になってるのだ。前述のピアノ等は特殊な場合を除いてこの平均律でチューニングされている。

 ではヴァイオリンなんかはどうかというと、ギターと違ってフレットが無いので音程は全て演奏者次第。純正律の演奏はもちろん平均律だって半音の半音だって出せてしまう。声も同じだね。

 じゃギターや他のフレッテッド楽器は?。そう基本的には平均律だ。フレットの間隔は平均律で配置されている。どんなキーでも使えないと困るからね。実際コードを引いた時にワンワンワン...という揺れが出てるのがわかるかな? それってチューナーでバッチリ合わせた状態でも多少は出てしまう。それが平均律だから。



 しかし、ギターにはオクターブ調整というのがある。弦を抑えた時に生じるチューニングの僅かなズレを修整するものだが、この調整しだいでは、揺れを減らす事も出来ちゃうのだよ。もちろんどのキーにも対応する訳ではないが、バンド音楽で使うキーなんてそんなに多くないから結構有効だ。
 更に開放弦の音程だってある程度変えられる。アンサンブルによっては、ローコードを引いた時にうねらない様に開放のチューニングをイジルのは有りなのだ。

 それには耳が鍛えられてないとイカンって訳で音叉の出番。日頃からチューナーに頼らず耳でチューニングしてると、この音揺れ凄く気になってくる。チューニングに対してシビアになってくる。すると、演奏にも変化が現れるのだよ。


 少なくともチューニングにシビアになった時点でちょっとレベル上がるよ。ディストーションサウンドもスッキリするので、自分のプレイがイケてるのかイケてないのかもよ〜く判るし。

 ね。それには音叉。これ一本持っとこう。電池使わないからエコだし。違うか。いや違くない。
[PR]
by Rune-guitar | 2013-05-17 00:02 | guitar repair
 本当は”これから〜”の3に行きたかったんだけど、その前に。

c0179274_2329232.jpg


これはトラスロッドを交換するところ。ロッドの先端(ロッドナットが付いてる所)が折れちゃったのだ。最近では折れた所をちょっと深くほじくって、またナットを付けられるようにする治具もあるけど、それでは根本的な解決にならない場合も多い。なぜか?


 答えは簡単。通常ロッドが折れるという事は滅多に無いのだよ。折れるという表現もどうかと思うが、つまりは5mmとかある金属の棒をねじ切っちゃうってのは相当なチカラを加えてる訳さ。もう締め込めない、回らないのに回すから折れて(ねじ切れて)しまうのであって、そこまでロッドを締める理由はタダ一つ。

”順反りが治らないから”

 これに尽きる。いやホントは回る筈がロッドナットが固着してたとかいろいろあるんだけど、それでも大元の原因は”順反り”ですよ。しかも過度の。

c0179274_23462313.jpg


こっちの画像はちょっと判りにくいかな。まだ溝の中にロッドが埋まってて、本来はこの溝に上から埋木がされて、その上に指板が貼られている。これは埋木を取り除いた所ね。
 で、トラスロッドはこの溝に真っ直ぐの状態で仕込まれてるのではなく、少し湾曲して入っている。つまりネックが真っ直ぐの状態では、ロッド自体は順反りのようになっているッて事。

 溝の一番深い所は楽器によって違うが、だいたい6f近辺が多い。12〜13fの辺りには回転止めのアンカーが付いている。

c0179274_0234053.jpg


 さて、弦の張力でネックが反ったとしよう。ロッドナットを締めるとアンカーまでの長さが短くなって、湾曲部分がぴんと張った状態になる。すると一番溝が深かった6f辺りが出っ張ってくる事になって結果反りが治る訳だ。
 ね、こんな程度の構造だもん。初心者が回したってそう簡単には折れないよ。

 しかし、ネックそのものの硬度が低い場合、順反りが取れない事は多々ある。材が柔らかすぎて弦の張力に対抗出来ないのだろうね。こういう時に起こるのだよ、ロッド折れ。まあそのロッド個体そのものの欠陥なんかもあるのだろうが、もう回らないのを無理して回すとやっぱ折れるのかな。


だもんでこのギターには順逆両対応、ツインロッド(もしくは2way ロッド)なんてのを使わせて頂く。(画像忘れた 今度ね)ロッドが2本で一組なので弦の張力にも強いしね。

さ、後ひと息、がんばろ。
[PR]
by rune-guitar | 2013-05-11 00:45 | guitar repair