Hard Relic

Curionの "Rock" がようやくカタチになってきた。一体、何ヶ月かかってんだか。"Rock"はマホボディーなので、カラーはソリッド(単色ベタ)のみ。今回は'60年代後半から'70年代初頭のフェンダーに見られる白をイメージしてみた。
このギターは構想から数えるともう4年くらい経ってるのかな?。その時、思い描いていた色が白なので、HPに載せてるプロトもこの色だ。まぁ、この色しか思いつかなかったというのもあるが...。
しかし、フェンダーのこの白は経年変化でかなり幅がある。正式名称はオリンピックホワイトだと思うんだけど、クリームホワイトとかイエローホワイトとかヴィンテージホワイトとか、レプリカではいろんな名前が付けられてる程だ。なので、HPの物と今回の物は敢えて面を変えてみた。
元々Curionはが経年変化が目立ち易いフィニッシュなのでエイジング自体は基本仕様なのだが、'60年代後半から'70年代初頭と言えばハードロックが全盛の頃だ。ガンガン使い倒された面構えのギターが多い。前回のアッシュトップのブロンドはちょっとお上品なルックスだったので、今回はがガッといってみる事にした。今後もこのギターを作る時は、一本一本同じ色見の物は出来ないんだろうな。
さて、先の画像はほぼ大方の工程を終えて組み込み直前の状態。不思議なもので、ピックガードやその他のパーツの灼け跡なんかは組み上げたら判んなくなっちゃうのに、コレやらないと色見が掴めないんだ。雰囲気ってヤツ。人間の目って微妙な色は対比によって判断するトコロがあるからね。だからCurionの塗装工程は極薄を目指しながら、色見で回数を使ってる。
まず目止め後サンディングシーラー。ボディーは無着色だが、ネックは目止めもシーラーもアメ色が混ざってる。
次に着色。ボディーはアイボリーっぽい白。完全にベタにするには、ある程度の量を吹かないとならない。う〜ん、これは仕方ない。乾いたらネックも含め、各パーツを仮組する。灼け跡を吹くのだ。
灼け跡(灼け色ではなく)はラッカーの量をかなり少なくして染料とシンナー主体で吹く。ラッカーが多過ぎると塗膜に段差が付くからだ。そして意外と淡い程度で充分跡は付いている。各パーツに付いた塗料はヤニ汚れ風になるが、かなり少量なので塩梅見ながら落としていく。
さあ、ここからが肝だ。普通、灼けた色ってのはトップコートが最も変色している訳で、再現するには色付きのトップコートを吹く事になる。後で擦り減った部分を作る時にも理にかなった感じになる筈だが、それでは最終の研ぎ出しに都合が悪い。色落ちして欲しくない所が落ちてしまうかもしれないからだ。
なので、ここは普通よりも薄いアメ色を、1回吹く毎に少しづつ更に薄めながら顔を作り、仕上げ吹きはほぼクリアーで。灼け跡からここまで殆ど中研ぎが出来ない(ペーパーの跡が不自然なグラデーションを作ってしまうから)ので、あまり間隔を取らずに最低限の乾燥時間で一気に吹いてしまう。こういう作業にはコンプは低圧の方が向いている。一回の吹き付け量が少なく、ラッカーの粘度をかなり落とせるからザラつきも少なくて済む。
でもって研ぎだし。通常、研ぎだしは塗膜の痩せを待つ為1〜2週間くらい空けるものだが、極薄塗装の場合はシンナーが抜ける前の、塗膜に厚みがあるうちにさっさとやっちゃわないと研ぎ出す余裕が無くなる。だから目痩せが激しい仕上がりになってしまい、だからレリック加工にしてるのだが。
さてさて、なんだか塗装の話になってしまったが、もうじき出来ますんでね。ひとつ宜しくお願いします。
あ〜、でもレリックもハードなヤツはキツいわ。


