ウォールシェルフ
工房の改築が終わって1年ちょっと。計画の時からだともうじき2年になりますが、この2年間が僕の人生の中で一番大変な時のように感じます。精神的にもね。たぶんまだ続くんじゃないかな。
こういう時こそステップアップの気持ちでいかないと。商売なんていつまでも安定は無いのだから。だからこそ最近になってようやく ”創業ン十年” とか ”老舗” なんて言葉の凄さがわかってきた。続けていく事の大変さよ。まさしく継続はチカラなりである。
そんなこんなで最近本業の合間にちょっとした家具を作っている。元々はカミサンの店(neiro 〜音色〜 http://www.rr-handmade.com/)の什器とかから始まったのだが、この店はいわゆる自宅ショップというやつで内容的にはリネンの手づくり服とかバッグ、布小物、和食器(益子焼きとか作家ものの器)その他ちょっと洒落た雑貨を扱っている。
奥様がそういった趣味をお持ちの方とかなら判るかもしれないが、こういったお店って独特の世界観があって、例えるなら壁は白い漆喰であるとか、古い物やシンプルな物、決して派手ではない味のある物が主役なのだ。その中の ”古い物” ってのが僕の中の何かと繋がったようで、ギターでいえばレリック処理的なエイジングを施した棚とか仕切りとかが製品として売られている。
まあジャンルや趣きは違えど学ぶ所はありそうだったので、このアンティーク風な”シャビー”と称される見てくれの小物家具をチマチマ作っているのである。集中力が切れた時のリセットにちょうど良いのだ。こんなのだよ。
ウォールシェルフというそうな。それのウンとちっちゃいのを試しに作ってみた。何の試しかって、バターミルクペイントというこの手のフィニッシュ御用達の専用塗料を試したかった。色合いと質感に説得力のある水性自然塗料だ。
こんな風に擦れた感じやクラックを作り、更には過去に幾度か色を塗り替えたような小細工までするのである。結構楽しい。うん。ただ、ちょっとギターに使える技法ではなかったようだが...。
こういう金具のエイジングは同じような手でいけるかな。コーナー部分の薄ら汚れた雰囲気はギターにも応用したいかも。
なんてね。もっと大きいディスプレイ棚も幾つか作ってみたんだけど、メインの仕事の潤滑油にするにはチト無理があるなあ。
こういう雰囲気の什器が必要な方、よかったら声かけてください。家具のプロではないけどアンティークフィニッシュはもっと手を入れられそう。基本、誰でも出来る技術であるだけに仕上がりの差が出やすい。そこが面白いのだろうね。
とりあえず、本年もよろしくお願いいたします。