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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

ストラトのセットアップ  まとめその1

 さてさて、前回、前々回でストラトのセッティングを考える上で避けて通れない幾つかのポイントを紹介したが、今回はそのまとめ。実際の流れに沿って、 何故そうするのか? という事を中心に書き連ねてみようと思う。

 以前にもどっかで書いたと思うが、そうする理由というのはとても大事だ。コピー物と本物のように、一見、同じように見えても理由があってそうなっている物と、訳もなくカタチだけを真似た物では品質に差が出るのは当然の事。セッティングにも同じ事が言える。ギターのセッティングは弦高等ちょっとの違いが大きく音程に出たりするので、見た目を真似してもダメ。各部全てを目的に応じてバランスよくまとめて初めてセットアップと呼べるものになるので、それには順序や取捨選択が不可欠なのだよ。


 とは言え。はじめてストラトの調整にチャレンジする人は、何が良いのか悪いのかさえ判断に迷うかもしれないが、まずはやってみる事だ。調整というのは動かせるようになっているトコロを動かすだけなので、そう簡単に壊れやしない。注意する点は、 ”チカラまかせに動かさない” 。これだけ注意しよう。

 やり方はウチのHPのセルフメンテナンスのページ(http://www.runeguitar.com/SELFMAINTENANCE/serufumenntenann.html)も参考にしてね。

 ただ、トラスロッドをイジルのにネックを外さないとダメな場合は多少覚悟が要る。外す際にネックポケット部の塗装が欠け飛ぶかもしれないので、コレはそういうものと割り切ってトライしてほしい。またコレに限らず全て自己責任の元、作業していただきたい。何があっても責任は持てないので、あしからず。


 また前置きが長くなっているが、今回は初めに書いたそういう 考え方 のような話をしよう。よく ”物イジリは器用でないと出来ない” というような考え方をされる方がいらっしゃるが、実際器用さというのはそんなに重要ではないと思う。大事なのは ”イメージする事” であって、不具合の原因を読み解く事だ。後は黙ってちまちました作業に耐えられる辛抱強さがあれば良い。ま、これが一番手強いのかもしれないが。



 さあ、早速始めよう。どんな調整も初めにやる事はだいたいコレ。そう、まずはチューニング。そして全体のチェック。今現在のネックの反り具合と弦高を記録しておこう。ビビリなど気になる事があったらそれも。道具類はその都度記すが、ここで必要なのは弦高を測る為のスケール(http://www.runeguitar.com/SELFMAINTENANCE/ikovnatsua[ru.html)。15cmの物で良いので一つ持っていて損は無い..じゃなくて持ってないと作業出来ない。とにかく今どういう状態なのかを知るところから始まるのだよ。

 弦高は各弦基本12F上の弦とフレットの隙間を測る。スケールは0.5mmまでしか目盛りが無いが、コンマ1mmくらいまで目寸で読む。メーカーによってはこの12Fを基準値としていない所もあるが、世間一般では12Fが多いと思う。やりとりでは一応 ”12Fで” と付け加えておくと間違いない。


 そう、ちょっとお得情報を書いとこう。知ってる人は知ってるが、12F上とはあくまで弦長の中点という意味なので、例えば1Fを押さえて13Fでの隙間を測っても、2Fを押さえて14Fで測っても数値は同じだ。当たり前だけど。じゃ、何なのかというとこれは ”ナットの高さを無視出来る” 測り方なのだ。

 最近はナットが高いギター多いね。ナットが高いと見かけ上12Fでの弦高が高くなってしまうので、セッティング時に勘違いを起こしやすい。オクターブも合わなくなるしね。その他ネックが反った事で弦高がどのくらい変わったのかのを見たりも出来るので、この測り方は覚えておこう。



 話を戻して、現状を確認しながらついでに問題点も見極めてみる。自分が不満を感じる箇所を洗い出すべし。弾きにくいとか、音が詰まる、途切れる、音程が合わない等などなんでもいい。そしてそれが何に起因するものなのかを考えるようにするとどこを調整すべきか決まってくる。


 例えば弦高は普通なのにビビるとか音が詰まる場合は、ネックが順反りしてる故に見かけ上の弦高が稼げているだけで、ネックを真っ直ぐにしたらサドルが下がり過ぎていたなんて事が多々ある。弾きにくい→弦高を測ったら高かった→サドルを下げる→ビビるようになった。とまあ、こういう図式になるのだが、 ”弦高を測ったら高かった” までは良い。だが次に ”以前から高かったっけ?” が入るとそれだけで結果は違ってくるだろう。

 また、音程が合わない時は ”いつから合わなくなった?” とか ”どういう時に合わないと感じるか?” などなどちょっとした分析が行く先を導いてくれる。もしかしたらこの前弦を張り替えてからかもしれない。逆にず〜っと張り替えてないからかも? いずれも弦を張り替えて解決。これも多々ある事例だ。


 まあ、最初はピンとこないかもしれないが、とりあえずやってみよう。そのうち判るようになる。




 あ〜あ、またなんやら長くなっている。今回画像も無いし、ちょっとインターバルを取ろう。とりあえず弦高について少し話せたが、弦高は他の部分の状態を知るバロメーター役なので、まだセッティングの話しではない。これからが本題って....。


 このお題、終わるのかな...?



by rune-guitar | 2014-02-07 01:23 | guitar repair