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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

 僕の製作したギター”Curion”が現在(株)石橋楽器店渋谷店様にて店頭展示中であります。一本きりですが....。修理がメインなんでね、なかなか作る時間無いのだ。HPの方には5月頃にはちょっとストラトチックなヤツも予定してるぐらいの事書いちゃったけど、ゴメンナサイ、多分、いや完全に間に合いません。こんなペースでは年間数本しか作れないなぁ。

 このギターはイメージの段階ではカラーは白(灼けたクリーム色)くらいしか予定してなかった。スクエアエッジのテレっぽいボディーはかなり色を選ぶ。なんか白以外は何色にしてもあまりピンとこないのだ。近い所でブロンドか?ッて事でアッシュトップのモデルを作ろうとしてたんだけど、その時にお店様からサンバースト無いの?と言われた。
 テレキャスターベースがモチーフなので、オリジナルプレベの代表カラーはどうなん?等と思いつつブロンドを先送りしてタバコサンバーストを作ってみたら...以外と受けはいいんだ、これが。


 しかし、今度作るコンター付きラウンドボディーには何色が似合うんだ???。OPBに近いのかストラトに近いのか。ん〜、よくわからん。て事で、カラーチャートみたいなのを作ってみた。
 画像にレタッチソフトで色付けてっただけだが、結構判り易いぞコレ。便利な時代になったもんだ。
 コンター付きに関してはボディーにアルダーを採用する事にしたので、ソリッドもシースルーも問わないのだが、一応、典型的な色に加工してみた。どう?コレ。3TSも悪くないような...でもレアカラーもいいような..。でもやっぱ白?エイジド加工は一番やり易いけどね。
どれにしようかな_c0179274_1102314.jpg

# by rune-guitar | 2010-05-10 01:03 | guitar repair
リフレットと指板修整_c0179274_1302235.jpg


 久しぶりになってしまった。あまりにも更新が少なくて、アクセスして下さる方に少々申し訳なく思いようやくである。無精者はやだね。

 さて、そんなこんなでリペア話。最近、フレット交換がらみの検索で立ち寄っていただいているケースが多いようなので、せっかくだからまたそんな話をしようと思う。

 フレット交換の話をするたびに言ってるが、最も重要なのは指板の修整だ。フレットが擦り減るまでにはある程度の年月が経ってる訳で、殆どのネックには歪みが生じている。例えばビビるからといってもフレットの減りだけが原因じゃない事は多い。ロッドでは修整出来ない腰折れやよじれを無視してフレットだけ入れ替えても正直あまり意味が無いと思う。あるとすれば一部のヴィンテージ物だけだろう。道具としてのコンディションよりも見た目の雰囲気が問われる域のものだ。

 この指板修整、ポイントが二つある。まず指板の直線性を得るにはどこを落とす(削る)べきか、どこなら落とせるのか。ロッドが回り切ってる時は緩めて順反りさせてから判断する事で、ロッドの効きを多少復活させられる。マーチンのスクエアロッドのように調整出来ないタイプの場合は弦の張力を計算に入れておく。
 また、指板のRを維持出来るか、敢えて変更すべきか。いい加減なバリ取り等で指板の幅が狭まっているネックは多い。そのままでは本来のフレットの有効長が得られず、弦落ちしやすいギターになってしまう。Rを維持する為に多めに指板を削るか、グリップ厚を重視してRをキツくするか、悩むトコロ。ただでさえ1〜6弦間のRを均等にするのは難しいのに。しかもローポジションとハイポジションのRは同じではない。円錐指板と言って、ローよりハイはRを緩めにするのが一般的だ。

 更に、指板修整の他にもう1つ、フレットの足の太さと溝の幅のマッチングというのもある。狭い溝に足(Tungと言う)の太いフレットを入れると逆反るし、反対ならフレットが固定されず浮いてしまう。国産フレットのtungは大抵0.6mmか0.5mm、輸入物は0.022〜0.024インチ(0.56〜0.61mm)なので、僕もよく使う2mm幅のフレットは3種類揃えてる。古いマーチンは0.5mm、現行品は0.023インチ(0.58mm)、ルーズな溝には0.6mmといった感じで使い分けだ。これに加えてtungをイジル工具も使うとほぼOK。

 これらがクリア出来て初めてキチンとフレットを打ち込む事が可能になる。フレットを打ち込む作業自体は、ピタッとさせる為に気を遣うが、さして頭は使わない。後はフレットのエンド処理と軽いすり合わせ、必要に応じてナットの交換や弦高、オクターブの調整で終了。

 いやホント、指板修整は大事だよ。画像は過去の指板修整がマズいのかよじれてるようなそうでないような変なネックの指板修整ビフォーアフター。参考までにね。このギター、近いうちにHPの方でレポートするつもりで...んんん?

2012.10.13 追記
都合により、違うギターの指板修整、R変更のレポートになっちゃいました。よかったら見てね。

リフレットと指板修整_c0179274_1302235.jpg
リフレットと指板修整_c0179274_1304298.jpg

# by rune-guitar | 2010-04-28 01:24 | guitar repair
Curionがお店に並ぶ!_c0179274_1584196.jpg
 

この度、ウチのオリジナルギター"Curion"が石橋楽器店 渋谷店様にて展示販売していただける事になりました。これはウチのような店舗を持たない個人工房にとっては大変ありがたい事でありまして、更に僕個人にとってもうれしい事です。渋谷店マネージャー様ならびにギター担当者様には感謝しております。何卒よろしくお願いいたします。



 しかし、情けない事にCurionは完全ハンドメイド故に生産性が非常に悪い。既製品のネックとボディーで作れる設計ではないので、すべてブランク材から加工するのだ。もちろんNCとかは無いので、アナログ極まりない。そんな訳で、展示は画像のブロンドフィニッシュ1本のみとなっている。
だが、そんな事ではせっかくお力添え頂いたお店様に申し訳ないので只今Newバージョン含め鋭意制作中。やっぱり商売としてメリットの出る話でないと、お店様には相手にされなくて当たり前なのだから。

 もし、ウチのサイトでこのギターに興味を持った方がいらっしゃったら、是非この機会にお試しくだされ。Curionはリペアマンが作ったギターだ。これまでにいろんなリクエストや不具合を見て来た人間が”こうなってりゃいいのに〜”と出来上がったギターだ。そんな思いをした経験のある方には喜んでいただけると思う。



 渋谷店マネージャー様から頂いた言葉を借りれば”やってる事全てに意味がある”との事。

こういう理解を示してくれたのがとてもうれしかったデスよ。
 
# by rune-guitar | 2010-02-25 01:59 | guitar repair
Curion New Color_c0179274_15234.jpg
 

 ようやくCurionのブロンドフィニッシュが出来上がったよ。僕の工房は修理がメインなので製作は後回しになりがちだ。プロトからの手直しなんかもあったからずいぶん時間かかったけど、その分納得いく物が出来たと思う。型も作りなおしたから次からは作るの楽だな。

 目指したのは音楽を奏でる道具として、和音がキレイな事、壊れにくい事、使いやすい事、便利な事。一方切り捨てたのは、音楽を奏でる道具として無駄な装飾。オカネモッタイナイヨ。

 詳しい仕様についてはHPをご参照くだされ。runeguitar.comだよ。ウチのサイト字、多いからブログはこのへんで....。

Curion New Color_c0179274_1574876.jpg

# by rune-guitar | 2010-01-19 01:58 | guitar repair
 古いマーチンのピックガードは塗装の中に塗り込まれている。材質はセルロイドなのかな。よく縮んじゃってスルメ焼いたみたいにめくれあがったのを見かける。

 この時、ボディートップを一緒に持っていってしまい割れを起こす症状が、いわゆる”マーチンクラック”。コイツを直すには一度ピックガードを外す必要がある。割れ口を元の位置にもどす為だ。接着はニカワなので過熱で簡単に剥がれてくれるのだが、一度剥がしたピックガードは再利用出来ないと思った方がいい。表面に塗られたラッカーの収縮も手伝って、反りはほぼ戻らないしサイズも合わなくなってる。

 そういう時によく行うのがピックガード交換。普通は0.5mmの塩ビ板をカットして貼付けるのだが、本来塗り込みであるモデルにプラスティックのピカピカの外観は似合わない。ともすれば安っぽいイメージになってしまう。そんな時はピックガードに塗装をかけてやるのだ。
マーチンのピックガード_c0179274_0405267.jpg

 で、今、乾燥中....。


 実際取り付けるとこうなる。
マーチンのピックガード_c0179274_0425362.jpg


 塗り込み特有の表面のたわみがわかるだろうか?ボディートップの面がすでに変形してる事と、ピックガードのエッジの形状に起因する独特の雰囲気だ。ただ切り出してベベル処理しただけのピックガードだとすごくアンバランスな感じになるが、こうして手をかけてやるとそれなりの風格を取り戻せる。参考までに本物と比較してみよう。
マーチンのピックガード_c0179274_050787.jpg

作成品

マーチンのピックガード_c0179274_050307.jpg

本物

 この塗装はただクリアラッカーを吹いただけとは違う。色見や灼け(太陽光で見ると判り易い)、エッジ付近の塗料溜まりやスプレー跡なんかも考慮してるのよ、一応。もちろんギター側から型取りして、出来るだけけジャストサイズ(実際にはほんの僅か小さい)に成型し、エッジ形状の特徴なんかも盛り込んでやる。中途半端にやっても意味が無いんでね。 

ん〜、今後の課題は木目の痩せに沿った歪みの再現かな。
# by rune-guitar | 2010-01-19 01:09 | guitar repair