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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

 12月14日。やっと重い腰をあげ行って来た。

 上野、東京都美術館フェルメール展。小雨の降る中、閉館も近い3時頃だったが美術館前は長蛇の列。なんの下調べも無く行ったので、正直ビックリした。更にチケット売り場の前で初めて目当ての作品が出展されてない事を知ってまたビックリ。というかショック!。2時間もかけてここまで来て引くにも引けない。チケットを買って列の最後尾へ。

 ”ここから1時間待ちで〜す” 驚きだ。一体何人来てるんだ?。(後で調べたらなんと934,222人だったらしい)さすがテレビの力。面倒臭がりの僕でさえ足を運んでしまったのは番組を観たからだ。そこで紹介されてた作品が出てないのを知らなかった人は僕だけではなかったらしく、後ろの人もガッカリしてたっけ。


 さて、そのフェルメール展。”光りの天才画家とデルフトの巨匠たち”とサブタイトルがついている。デルフトというのはオランダの地名との事。17世紀頃のデルフトの画家達の作品展という事か。
 展示作品数は40点。そのうちフェルメールの作品は7点。彼は生涯でたった30数作品しか遺してないので、わずか7点でも約2割の作品が集まった事になる。目玉無しでもこれは凄い事なのかもしれない。実際、出展不可になった理由は作品保護の為らしいので、仕方あるまいね。

 待つ事1時間、ようやく中に入る。 ...暗い。作品保護の為の国際基準だそうだ。ん〜観づらい..がこれもしょうがない。なんせ350年前の絵だ。みんな食い入るように観てる。
 最初の23点はカレル・ファブリティウス、ピーテル・デ・ホーホといった巨匠(らしい。知らなかった)作品が並ぶ。個人的に気に入ったのはヘラルト・ハウクヘーストという画家の作品”デルフト新教会の回廊”という絵。高い吹き抜けの建物の中に差し込む光りが柱を照らしている様が、どう見てもホントに光ってるように見える。写真よりも光って見える。キャンバスの表面を見ようとしても見えない。あたかもそこにそういう光りが有るようにしか見えない。エアブラシも無きゃフォトショップもないこの時代の、画家の画家たるものを見せつけられた気分だ。


 そしてやっと辿り着いた人の壁..じゃなくてフェルメール作品。予想はしていたが案の定 ”立ち止まらずにゆっくりおすすみくださ〜い”の誘導。向こうも事故防止の仕事だ。しゃぁないが絵に入り込むのは少々難しい。


 だが粘りながら限られた時間内で観た彼の作品は、

 ダントツだ。

 悪いけど他の展示作品とは格が違う。まず人物の描写を彼のように描いている作品は他に無く、背景と人物とにギャップを感じてしまう作品が多い。あるいはパースや遠近感に歪みを感じたりとか...。なんかエラそうで恐縮だが、フェルメールの作品にはそういったものが微塵も無い。ホントにズレが無いのか感じさせないのか判らないがそんな事どうでもよくなる。特別出展作品の ”手紙を書く婦人と召使い” なんかはその最たるものだ。
 そこに現実に空間があって2人の人物が何か話しているような、そういう生きた時間の流れさえ感じられる。これが本物か...。
 その他の作品でも、彼は描かれた人物の想いや言葉?まで伝えようとする。これほどまでに活きた人物を描いてる画家は今回は彼一人だった気がする。”光りの天才画家”だけでは言葉不足なのでは?。



 口が開いてる自分に気づく。



 最後は別のブース(2階)でフェルメール全作品の原寸大の写真を展示。予定されていながら出展不可となった”絵画芸術”は思ったよりもデカかった。大作だったのだ。残念。

 そしてお約束のグッズ販売コーナー。大盛況。出展作品のポストカードがあったけどカレル・ファブリティウスの自画像のは売れたのだろうか?。そんな余計な事を気にしながら美術館を後にした。

 雨はやんでいて、西洋美術館のイルミネーションがきれいだった。
# by rune-guitar | 2008-12-16 03:06 | 絵の事
 いや、あまりたいした事じゃないんだけど、この前、知り合いの若いリペアマンと工具の話をした事があって、その時にコレいいよって紹介したやつ。

 OLFAというブランド、知ってる方も多いと思う。デザインナイフは使ってる人も多いし。僕も重宝しているが、その他、これも今や必需品。
コレ便利_c0179274_233112.jpg

名前忘れたけどこのミニノコ、フレットのスロットを掃除する時に非常に便利。刃厚はアサリ(いっちょまえに付いている)含めて0.4mm位なので、余裕でスロットに入る。あ、コレは短くカットしてますが。しかも溝の底面や隅っこの方だけ削れるので、むやみに溝の幅を広げずに済む。溝の中のアロンはかなりの厄介者だが、コイツと
コレ便利_c0179274_214474.jpg

コイツがあると結構ラク。さしずめミニノミ。ミニチゼルと言った方が良い?
実はコレ先述のデザインナイフの根本側を加工したもの。
コレ便利_c0179274_217779.jpg

こっちも刃厚は0.4mm位。ノコと比べるとアサリの分だけ厚いがギリギリでスロットに対してキツすぎない厚み。バインディング付きのフレット交換にはこの2つは大活躍だ。個人的にはSTEWMACから出てる専用工具よりも厚みや切れ味で勝ってると思う。

決してOLFAから金品は受け取ってない。誓うぞ。
# by rune-guitar | 2008-12-05 02:36 | guitar repair
 これな〜んだ? あまり見る事無いと思うので、撮ってみた。
やっぱり大変だった仕事_c0179274_04076.jpg
 
 ネック折れの補強を張る前の状態。ウチのネック折れの補強は横から見るとS字型にカーブしたザグリに同じカーブのマホのブロックを張り合わせる方式。
やっぱり大変だった仕事_c0179274_0404084.jpg

 通常ならネック側のカーブを成型した後、ほぼ同じにカットしたブロックを擦り合せて同じカーブにしていく。殆どのネック折れはこのやり方で通用するのだが、..だが、このデカイ金属の塊は?。

 あまり時代考証には強くないので申し訳ないが、これは一時期のギブソンに採用されていた順逆両対応のロッド。以前このタイプのロッド折れを扱った事があるが、四角くデカいアンカーがネックの両端に入っていてロッドはストレート。ロッドを回すとアンカー間のロッドの長さが伸び縮みするという仕組みだ。
 こんなデカイ物が入ってたら強度に疑問符が付きそうだが、意外と今まで折れたのにはお目にかからなかった。ギブソンでは....。

 実はこのちょっと前に、某国産メーカーのレスポールタイプで同じような構造のネック折れをやったばかりだった。そっちはもっとキビシい位置にもっとデカいアンカーが入っていて、とてもじゃないがその構造を変えないと補強もへったくれもなかったので、順反りのみ対応に変更させていただいた。だが今回は構造上その手は使えないので、必要な深さまで掘り込んで飛び出したアンカーをよけるように補強ブロックを成型するという、かなり厄介な作業になってしまった。擦り合せる事が出来ないので、何倍も手間かかる。何度も何度も、紙挟んだり、光当てたり、その他いろんな手段を使って...。


 こんな風に、時々、同じような内容の依頼が極短いスパンで入る事がある。ネック折れとかフレット交換とか、ただそれだけなら不思議ではないが、上の画像のようにロッドの仕込みが特種なものが続いたと思えば、ついこの間、サザンジャンボのブリッジ破損(作成交換)やったばかりで今度は
やっぱり大変だった仕事_c0179274_0393320.jpg

...このブリッジですわ。ただでさえ曲線ばかりで成型しづらいのに、インレイまで...しかも★6個..。

 ちなみに、これデカいピックガードが2枚付いていてボディーカラーは黒。トップの塗装も損傷があったのでリフィニッシュに。そしたらこれとほぼ同じ時期にヤマハのCJ(P.G2枚、色は黒)の派手なトップ割れとブレーシング破損が来た。やっぱりトップはリフ。なんか似過ぎ。コワいわ。
# by rune-guitar | 2008-12-05 01:58 | guitar repair
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 更新がご 無沙汰になってしまった。元々が筆無精なもんで...。

 今回はウチのオリジナルギターについて書いてみよう。ホームページは商用という事もあって書き方もある程度意識しているが、コッチではもう少し砕けた話をしよう。

 僕がエレキを始めたきっかけは高校の文化祭だが、この時いわゆるハードロックなるものを初めて聴いた。それまではS&Gとかアコギ派だったので、ロックなんて聴いてみようとは思わなかったのだ。

 曲は "BURN"。この辺で歳が知れるが、当時リッチーはRAINBOWで、”Difficult To Cure”をリリースしてた。まぁ、彼の音楽出身って事で当然初めてのエレキギターはストラトを選んだ訳だ。でもジェフベックモデルだったけど...。

 以来、あの抱えた時のバランスに慣れてしまった事とトレモロユニットのお陰で、ギブソン系は苦手になってしまった。ただ、音についてはシングルコイルはやっぱり難しいんだ。ちゃんと弾けないとメチャクチャしょぼい感じがする。これは歪んでようとクリーンだろうと変わらない。そもそもデリケートなのだ。当時ギター歴1年そこそこの小僧は考えた。なんとかラクしてウマく弾けるようにならんかと。これが僕の改造歴の始まりだ。

 まず手始めはP.U。もちろんハムバッカーに。よくパーツショップに通ったもんだ。バーゲンを狙ってネックやボディーにも手を出し、スキャロップしたりザグリ入れたり。でもギターは1本しか無いので、あっち変えこっち変えしてるうちにパーツによる音の足し算引き算が出来るようになった。これは今まさに役立っている。

 ウチのオリジナルギターは、僕のこんなバックボーンから設計上の発想を取り入れている。ポイントは

メイプル1ピースネック、音の輪郭がハッキリしてる。ナット幅狭く、厚みあるグリップ。25.25"スケール採用。ストラトよりチョット短いのだ。

マホガニーボディー、南部臭い、東でもましてや西でもない粗野な感じ。ちと重いが。

低出力のハムバッカー、太いけど生っぽさをかき消さない程度の出力。サーキットに仕掛け有り。(詳しくはHP見てね http://www.runeguitar.com/ORG.guitar/curionnewcolor.html

とまあ、こんな感じ。他にもいろいろ取り入れてるけど今回はこの辺で。狙いは、バランスや使い勝手はストラト風だがフェンダー系ではない音、どっちかというとギブソンのSGとかLP Jrみたいな感じかな。

ブランド名の"CURION"とは珍しいとか骨董品等の意味を持つ"curio"から。
# by rune-guitar | 2008-10-23 01:34 | guitar repair
 
ジャパン ヴィンテージ モディファイ_c0179274_2371370.jpg


 お茶の水からほど近い、宮地楽器 神田店様からのご依頼。もう去年の事になるが、とても面白い企画なのでご紹介しようと思う。

 エレキギターの改造というと割とポピュラーなのはP.U交換やペグ交換。ちょっと手が込んでくるとフレットやナット、ブリッジの交換。更に拘るならサーキット関係のパーツ交換やノイズ対策等々、カスタマイズのポイントは多岐に渡る。

 また、これとは別に自分だけの仕様を一から決めていくオーダーギターというのもあるが、今回紹介するのはその両者の性格を併せ持つようなギターだ。簡潔にいうと、過去二十年以上もの間、楽器として使用されていたボディー、ネックをベースに新たなコンセプトのギターを作ってみようというものだ。(詳細はコチラをご覧下さい ロック弦な日々

 基本的に、オーダーギターは当然の事ながら新品である。出音のキャラクターは木材の種類やパーツの選択によって決めていくのだが、初めて手にした時に出てくる音はやはり新品の音。
 ここに使い込まれた音を加えたい。って事で、素材として用意されたのは、'70年代のGRECOやFERNANDESのギターだった。現在、これらのギターはジャパンヴィンテージと呼ばれ、一つのカテゴリーになっている。やっぱり楽器って成熟していくものらしい。あたりの取れた馴染み易い音だ。

 これらのギターの木の部分以外をほぼ全て新しいパーツに変更。ナット、フレット、指板Rまでも指定が入る。この拘り様はスタッフの方々の思い入れの表れ。ここがただの改造ギターと違う所になる。個人的にもよく思うが、過去に商品として開発されたギターである以上そのスペックはかなり考えられたもの。中途半端に仕様をイジルとどこかにそのしわ寄せがくる事がある。

 例えば、フレットをジャンボにすれば当然ナットやサドル、ネックアングルまでイジル事になる。オクターブ調整やP.Uの高さ調整にも影響が出る。
 P.Uを変えれば物によってはポットやコンデンサーも変わってくるし、サーキットのレイアウトから変えた方がそのパーツを目一杯活かせる場合もある。ペグとブリッジの関係も然りだ。

 こんな風に、使い勝手等も含めるとかなりの部分に手を入れる事になる。トータルで見た時のバランスを考えるなら、一つのコンセプトで一気に全てを変更するのはとても有効に思う。

 さて、皆さんはこのギターをどのように受け止めるのだろうか。よかったら試奏しに行ってみてくだされ。
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# by rune-guitar | 2008-09-19 02:39 | guitar repair