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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

シアノアクリレート その2_c0179274_155360.jpg


 さて、本題に入ろう。

シアノアクリレートは無酸素状態になると急速硬化する接着剤だ。
僕たちリペアマンは、これを接着剤として使う他に、木に染み込ませる
事で強度を得る為にも使う。

例えば古いクラシックギターのペグ交換等は、ネジをあまりタイトに
入れられない時がある。割れちゃうからだ。かといって下穴を大きめに
するとネジが効きにくい。大抵、マホガニー材だからすぐ舐めちゃう。

そんな時、大きめの下穴に一旦ネジを軽く留めてネジ山を作ってから
ネジを抜き、穴に低粘度の瞬間接着剤を少量染み込ませてやるとウマく
いく時がある。大きめの穴でも山に強度があるからしっかり留まるのだ。


 同じような理由で、フレット交換の際にも溝の強度を稼ぐ(食いつき
を良くする)意味で、瞬間接着剤は使われる。ただし、いろんな条件が
ついて回るのだが。


 そもそもフレット交換という作業を ”コツさえ掴めば簡単”という
方もいれば、”素人が手を出す領域ではない”という方もいる。

実際の所は個人の判断になるのでどっちとは言えないが、様々なポイント
をクリアしていかなきゃならないのは事実だ。

その中で最大のポイントがフレットの足と溝のサイズだ。コレが合って
ないとウマくない。キツければ入らない。無理に入れると逆反る。
緩ければ浮いてしまう。

仮に同じフレットが用意出来ても、指板の痩せや度重なる交換で
ルーズになった溝も多いから、ハナから合わないと思ってた方がいい。

 また、打ち込む際の衝撃(といっても大したものじゃないが)で、
すでに打ち込んだフレットが浮いてくる事もある。同型のフレット
を使用した時に多いが、足の爪が元の爪痕に入ってしまうと噛まない
のだ。ズラして入れるのだが何回も交換されてるとキビシい。

 その他まだたくさんあるが、こういった状況に於ける対策の一つが
瞬間接着剤なのだ。キチンと打ち込まれたフレットを長期間動かなく
する為に使用するのが正しい使い方で、多くのポイントを無視して
無理矢理留めてるのとは大違いなのだ。

正直、瞬間接着剤なんて使わなくて済むならこんなラクな事は無い。
使えばそれなりに作業が増えるのだから、手抜きどころじゃない。

楽器の強度や構造上、打ち込む事(押し込む事含む)が困難な場合を
除き、貼付けるようないわゆる接着剤の使い方は無く、やむを得ず
その手を使う場合はとてもシビアな作業になってしまう。


 なんか言い訳がましい? でも事実だと思ってるよ。今や新品でも
普通に接着剤使ってるからね。だから、抜くときはこうするとキレイ
に抜けるのだ。


シアノアクリレート その2_c0179274_15442.jpg

# by rune-guitar | 2008-09-12 01:10 | guitar repair
シアノアクリレート その1_c0179274_23345462.jpg

 シアノアクリレ−ト。耳慣れない方もいらっしゃるだろうか。
いわゆる瞬間接着剤のことだ。今回はコイツについて少々
話をしてみよう。

 僕はmixiやってます(hnはrune guitar)。その中のコミュニティーで
フレット交換の際にこの瞬間接着剤を使うのは有りか否か?という
話になった事がある。

特に話題の中心だった訳ではないのだが、ある現役リペアマンの方が
”私は瞬間接着剤の使用は悪い事ではないと思う”
と発言していた。

お〜、勇気ある発言だなぁと思いつつ、ちょっと自分が恥ずかしかった。
僕も使ってるのに ”有りだ”と言えなかったから。


 世間一般には”フレット交換に瞬間接着剤を使う事は手抜きや
技術不足をごまかす行為”のような考えがあるように感じる。

僕はそう思われるのを避ける為、コメントの書き込みをしなかった。
これはイカン。良かれと思ってやってるコトを隠せばそれは良からぬ
コトをしているのと同じだ。


 結論。要は瞬間接着剤のメリットと正しい使い方をみんなに知って
もらえば良いのだ。まぁ、僕なりの考え方なので、全ての方に通用
するとは思ってないが、参考程度にはなるだろう。


前置きが長くなってしまったので、ページを変えよう
その2へ続く
# by rune-guitar | 2008-09-11 23:37 | guitar repair
 ギターイジリに興味のある方って意外と結構いらっしゃる。
車イジリと同じようなもんだろう。チューンアップやメンテナンス。
自分の為だけのカスタマイズ。フィニッシュまでやっちゃう方もおられる。

 ネット上でもリペア関連のサイトはたくさんある。プロはもちろんアマチュアの方まで、いろんな情報が盛りだくさんだ。便利な時代である。

 僕は自分のHPでリペアのやり方は書いてない。敢えてメンテナンスやリペア内容の紹介だけにしておいた。あまり詳しく解説して参考にされた方にご迷惑がかかってはいけないから。(2013.03.17 編集 などと言いつつネック折れのリペアレポートなんぞやってしまった。)

 そう、ギターのリペアって ”こうでなければイケナイ”とかの線引きがあやふやで結果オーライみたいな所が多分にある。本来はこう直すべきだろうという場合でも予算や、そのギターに対しての思い入れ等は人それぞれだ。これについては他人がとやかく言う事ではなく、所有者本人が決める事なので、個人的には過去の修理跡から伺える様々な事は、まず肯定から入るようにしてる。

 頭ごなしにいきなり否定の目で見るのは危険だ。まず、どういう事情でこういう直し方になったのかを推測すると、思いもよらぬ理由が見えてくる事がある。ああ、だからこうしたんだ、というように。ホントにダメなのもあるけどね。


 そんな訳でこのカテゴリでは、よく聞く話だけどそれって有り?みたいな事柄について肯定的に記していこうと思う。


 乞うご期待。

写真は今日やってたアコギの指板修整とリフレット。まずはその辺から...。
はじめに_c0179274_22302433.jpg

# by rune-guitar | 2008-09-06 22:32 | guitar repair
 子どもの頃から絵を描くのが好きだった。絵描きになりたいと思った時期もある。

小学校の頃はマジンガーZとかヤマトとかメカ物。中学では映画にはまってたので、クリントイーストウッドとかのアクション俳優やパンフレットの表紙等の模写。これは結構真剣に描いてたなぁ。

 それが高校でバンドやるようになってからはぜーんぜんで、一応選択教科で美術とってたけどなにやってたかさえ覚えてない。それ以降、絵とはあまり関わりがなかった。


 でも、なにを思ったか数年後にまたちょこちょこ描き始めて、一つだけ気に入ったのが描けた。それがコレ。

僕の作風_c0179274_1221278.jpg


 初めてアクリル使って描いた時は、世界観変わったわ。ちょっとカルチャーショックだった。

だって透明水彩なのに色が重ねられるんだもん。この絵の前まで使ってた安もんアクリルも下が溶ける事こそ無かったけど発色は今イチで、なんかカサカサだった。

けど今度はリキテックス!。こりゃぁスゲェってんで気合い入っちゃったんだろうね。


...力尽きたのか、それからまたブランク。

そして今、またなんか描きたいなぁって思ってる所。今度はもうちょっと生きた絵が描けたらな。
# by rune-guitar | 2008-09-03 01:24 | 絵の事
 はじめまして。埼玉でギターの修理をやっております。
( HPコチラ → Rune Guitar Maintenance )

 2008年に初めて書いたブログがこのページでしたが、早4年。現在は更新をお休み中ですが、この自己紹介、いまだにアクセスでは上位に入るページなので、本日2012.10.05 内容を編集させていただきます。

 エレキギター、アコースティックギターのリペアが専門ですが、製作も極少数ながらやっております。"Curion" というブランドネームなので、よかったら見てやってください。

 このブログは、上記サイト内にある "六軒楼"というページの延長線上的な色合いになってます。オクターブチューニングやフレット交換、指板修整関係の記事が人気の様で、誰かの役に立っているのならと閉鎖もせず休眠を続けておりますが、近々再開しようかなとも考えてます。


 さて、当工房は埼玉県は北葛飾郡、杉戸町というトコロにあります。まだ田んぼがいっぱいあります。アマガエル、カナヘビ、ヤモリ、たまにシマヘビ、でかい牛ガエルも見れます。決して綺麗ではない小さな川にはカモやサギもいます。こう書くとなんかスゴイ田舎みたいですが、別に海も山も無いし、中途半端な所です。あ、東武動物公園があります。...どうでもいいですね。

 
 そんなトコでひとり黙々と作業してる訳ですが、僕自身にとってギターとは音楽を演奏する為の "道具" なので、役に立たないのはとてもイヤです。弾きにくいとか、ノイズうるさいとか、チューニング狂いやすいとか使う上で何かしらの制約を受けるのがヒジョーにイヤです。
 
 だからちゃんとイジってあって徹底的に弾き倒されたギターが大好きです。幾らの楽器とか関係無いです。100万円だろうが千円?だろうが、正しく調整されて自分の役割を全うしているギターには敬意さえ覚えます。



 なので、そういう同じ感覚を持つギタリストの方とは相性いいかもしれません。どうぞよろしくお願いいたします。





以下どうでもいいこと。
 
好きなギタリスト
 エディー・ヴァン・ヘイレン  イングヴェイ・マルムスティーン、 リッチー・ブラックモア、 エリック・ジョンソン(曲はそんなに知らないけど)、 ウリ・ジョン・今は何?、 スティーブ・スティーブンス、 ヌーノ・ベッテンコート、 ミック・マーズ(ウソ)、 カルロス・カヴァーゾ(絶対ウソ)

好きな曲  
 ピアノマン/ビリー・ジョエル、 アメリカ/S&G、 他にもあるけどこの2曲がツボ。
 中学の頃、久保田早紀の ”夢がたり”ってアルバムとか、ABBA、ジャニス・イアン、オリヴィアとかのカセットテープが家にあって、それはよく聴いてた。そのせいか、女性ヴォーカルのPOP'sは結構好き。カーペンターズとか。でもって最近 ”ゆず”。これはカミサンの影響。

 あと、絵が好きです。フェルメール、エミール・クラウス、レオン・ド・スメットについてはレポートあるので読んでみてね。そのほかノーマンロックウェルとか、写実的なイラスト寄りのものも好き。

その他
 鎌倉、湘南大好き。 (脚本家としてよりは)映画作家としてブラッド・バード、君塚良一、宮崎駿。

 など等、圧倒的に明確な世界観や実力を持ってる人(物)が好き。スゲェ〜ってやつ。



こんな人間ですが、よろしくお願いします。
# by Rune-guitar | 2008-08-31 08:25 | 自己紹介