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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

 このところ更新がご無沙汰になってしまいましたが、もう去年の秋くらいからず~~~っと引っ張っているCurionの量産モデル、ようやく価格が決定しました。
Curion 量産モデル 価格が決定しました。_c0179274_00473176.jpg
 このブログでもチョコチョコと細かいコトを書き連ねてきましたが、Curionというギターは本当に設計が売りでして、各パーツを本来在るべきであろう場所に配置し直す事で、全体のポテンシャルを上げようという狙いがあるのです。端から言えばペグ、ナット、ブリッジ、サドルの高さ、ネックのアングル(これは指板面の位置)など。その他、各部の形状なんかも一つ一つ意味があったりします。
 これを正確に委託先に伝えるのが一番大事なポイントだったので、ここには時間をかけました。特にペグの配置。一見F系の配置と対して変わらないようですが、ここはしっかりやりたかったんデスよ。

 通常この手のペグ配置って、3弦のペグがネックのセンターライン上にくる事が多いようです。ペグの間隔もゴトーの推奨では23.8mmと決まってますし、慣例に従って ”こうだべ” ってやってしまえば早いんですが、理想としてはサドルの頂点からペグポストの巻き部分まで一直線になってて欲しかった。唯一折れ曲がるナット部分でも、真下に折れて欲しいんです。これにはサドルピッチとナット幅、溝の位置も計算に入れる必要があって、それはそれはまあメンドクサイ作業だったと思います。でもおかげで思った通りのペグ配置になったので、一安心。1,2弦はどうせガイドが付くから無視して3~6弦のナット部での横方向へのテンションの逃げを極力(完璧にはならない)減らす事が出来ました。って、まあ設計上は最初からそうなってたんだけど、これを僕以外の人間に作ってもらう訳だからいろいろ出てくるんです。いや僕のサンプルが悪かったんですけどね。

Curion 量産モデル 価格が決定しました。_c0179274_00455707.jpg

 そんなやり取りをこの間まで地味にやっていて、ようやく次の段階に入れましたよ。プロモーション頑張んないと! もう頼んじゃったんだから!

 てな訳で、まずは気になるお値段ですが、Curionは今回ローズ指板が加わり、ボディーも形状はスクエアエッジのRockとラウンドエッジのContouredの2種類、それぞれアッシュとマホガニー、Contouredは更にアルダーも入って組み合わせは全10器種となります。
 定価設定は、Contouredのアルダー/ローズが一番下で¥300.000、ContouredとRock供にマホガニー/ローズが¥310.000、アッシュ/ローズが¥320.000となってます。メイプル指板はそれぞれプラス¥10.000となります。(以上税抜き)



 実売価格としては各モデルとも10%の値引きを入れられるようにしたので、税込み価格は定価より若干下がります。例えばContoured アルダー/ローズは値引き後¥270.000、税込み¥291.600となります。

Curion 量産モデル 価格が決定しました。_c0179274_00453301.jpg
 安いでしょう?結構頑張ったんですよ。内容的にはオリジナルデザインでパーツ厳選でこの価格はかなりのものだと自負しております。実力主義のこのギター、是非お試しくださいね。まだ量産品のデモ器はないですが、プロトのプロト、あの最初の1本がお試しいただけるので、よろしければ工房まで足をお運びください。

お問い合わせはmail@runeguitar.com または09093217372までよろしくお願いします。

それでは!

# by Rune-guitar | 2017-06-30 02:11 | Curion
指板型キーホルダーがネック型キーホルダーに!_c0179274_02394447.jpg
 ご好評いただいております指板型キーホルダーがまたまたバージョンアップ!ついに指板だけじゃなくネックになっちゃいました!!
指板型キーホルダーがネック型キーホルダーに!_c0179274_02395988.jpg

しかも材は超人気のハカランダにフレイムメイプルと、贅の限りを尽くした一品です。もはやアクセサリーの域を大きく外れて、工芸品の・・・あらら、夜中にやってると気が大きくなっちゃいますね。さすがに自分で作ってて工芸品とは思いたくないです。おこがましい。

でも、随分手はかかってるんですよ。裏側は塗装かかってるし。とりあえず20本限定でスタートします。無くなった時点で次を考えようと思ってますが、今回コストをかなり抑えてるので価格の面ではホントにこれで終わっちゃうかもしれません。大丈夫かもしれないですが、その時になってみて判断しようかなと思います。
指板型キーホルダーがネック型キーホルダーに!_c0179274_02401784.jpg

なにはともあれ、気になった方はお早めに!


よろしくお願いします。

# by Rune-guitar | 2017-04-13 02:41 | いろんな事
Curion デザインの秘密_c0179274_02463041.jpg
 さてさて、オリジナルギターCurionのお話もだんだん書く事が無くなってきて・・・いやいや!そんな事はありません。まだ、もうちょっとあります。今回はデザインにまつわる話をしましょう。

 Curionはもうかれこれ10年くらい前からイメージだけはあって、元になっているのは言わずもがなテレキャスターベースやオリジナルプレシジョンベースです。当初はラウンドエッジは考えてなかったので、正確にはテレキャスターベースの方ですね。

 元々、個人的にテレキャスベースのデザインが好きで、特にあのトレードマークのピックガードにやられておりました。で、当時そろそろ修理以外にもネタを持っておきたくて製作を模索し始めるわけですが、商売で考えたら当然ストラト作った方がいいんです。注目されやすいですから。
 実際作る時も、ネックやボディーはわざわざブランク材から削りださなくても、NCで作った製品があちこちで売ってますから、特に初期投資もなく精度の高いモノを揃えられるなどメリット多いです。
 あ、もちろん自分でボディー、ネック作ってる工房もたくさんありますよ。でもどこかに発注してる工房もあります。そして念のため、それがいい悪いの話をしてるのではない事は理解してくださいね。

 話を戻して、じゃなんでそうしなかったか?なぜストラトじゃないのか? 

 一言で言えばやりにくいからです。本家意外にもストラトはたっくさ~んあります。SUHRとかSADOWSKY、JAMES TYLERなどのハイエンド系とかも含めたら、入り込む余地なんてなかなか無いようにも感じましたし、みんな考えることは同じというか、ネタも被ってくるから差別化が難しいんです。どっかの二番煎じになりかねない。

 で、どうせやるなら自由度の高さを取ろうという事で、オリジナルシェイプ(模倣っちゃ模倣なんですが)になっていった次第です。細かなスペックはもう散々書いてきましたから今さら言わんですがアウトラインについて少々。

Curion デザインの秘密_c0179274_02413772.jpg

 ボディーの1弦側のラインはカッタウェイ内側をちょっとイジッた以外はほぼテレです。ここを基準にダブルウイングのピックガードや6弦側のラインを決めていきました。そう、ストラトのシェイプじゃないんですよ、これ。本家にも無いボディーシェイプなんです。
 エッジについては68~9年頃のテレみたいな、Rの大きくないエッジにしました。てか、もっと鋭いかも。なんか、ああいう板っ切れみたいな半加工のような雰囲気が良いなと。

 ヘッドストックもよくテレと間違われますが、こちらもオリジナルっす。小さくしたかったのもあったんですが、やはりテレキャスベースのイメージに沿ったデザインにしましたさ。先端部分がテレよりも丸いでしょ?

Curion デザインの秘密_c0179274_02420718.jpg

 で、コントロールパネルはテレのものをひっくり返して使用。どうせレバーSWはそんな頻繁に使わないし、ボリュームを近づけたかった事もあってちょうどよかった。

Curion デザインの秘密_c0179274_02494036.jpg

 さーて、プロトはま~だ上がってこないでㇲ。いったいいつになっちゃうんでしょ。
まあ、待つしかないんですかね。  それでは。

# by Rune-guitar | 2017-03-20 02:50 | guitar repair
 ちょっと間が空いてしまいましたが、企画はちゃんと進行中ですよ。まずはプロトとして "Rock" のアッシュボディー、ローズ指板を準備しとります。ボディー形状はスクエアエッジですね。カラーはまだ決めてないんですが、アッシュの木目を活かそうとするとブロンドかサンバースト?。
ん~、気分的にはまだやってない色にしたいんだけど、PRにも使いたいからなあ。木目無視してソリッドカラーにするのも有りだけど、候補ありすぎてね。う~ん迷う。
またまたまたCurionネタ ボディー編_c0179274_22423692.jpeg
 "Rock" は一番最初に作ったモデルで、ボディー材はマホガニー。上の画像ね。ギブソン直系の、アメリカ南部はブルース発祥の地・・・的な音でㇲよ。良く言えば男臭い、悪く言えば野暮ったい、そういう材ですね。マホは。大好きっす

 当初、指板はメイプル1ピースのみだったから、その時はカラーは白(灼けたオリンピックホワイト)で、イングヴェイマルムスティーンのダックみたいな雰囲気にしました。こういう何かを彷彿させるようなのは大好きで、例えば黒メイプルならクラプトンのブラッキー!とか、フェスタレッドのローズ指板ならゲイリームーア!みたいなラインナップでやりたいんだけど、今回のプロトはアッシュだからね。普通ならタバコサンバーストだけど、ローズ指板じゃ似合わないし。3トーンサンバーストならローズ似合うけど、70年代後半のスペックみたいだしなあ。

またまたまたCurionネタ ボディー編_c0179274_22423908.jpeg
 このボディーは ”Rock” の次に作った ”Classic” というモデルのボディー。マホガニーのトップとバックに5mmのアッシュをラミネイトしたセミホロウ構造のモデル。今回の企画では予定してないモデルだけど、顔のイメージ画像として使いました。こんな感じ。
 やっぱアッシュの魅力はその音の明るさとハッキリした輪郭。先の南部から一気に西海岸ですねー。軽くて音の立ち上がりも早いので、材としては人気あります。これにジェスカーフレット(もちろんステンレス)、510のブリッジ、RAW VINTAGE のスプリングとくればもう無敵ですよ。今もっとも勢いのあるコーディネートっす。
またまたまたCurionネタ ボディー編_c0179274_22424299.jpg
 そんでもってその次に作った3兄弟の末っ子が ”Contoured” 。テレ風のスクエアエッジからストラト風のラウンドエッジになって、ピックガードもスモールになってます。多分これが一番バリエーションを増やしやすいモデルかな。なんか70年代っぽいからあらゆるカラーが似合うんじゃないかな。キャンディーアップルレッドとかカッコよさそう。
 今回ラインナップのボディー材はアルダーとアッシュの2種類(いつか自分用にマホのを作ろうか)。アルダーという材はフェンダー系ギターで最も使われている最優秀ボディー材で賞!世の中のエレキの音は半分くらいコイツなんじゃないかと思ってしまうくらいポピュラーな木です。明るく爽やかで適度にウォームで、アッシュ同様のウエストコーストからモダーンミュージック、ロック、インストルメンタル等々ほぼ完璧にこなします。材による音の違いを比較する時に基準とされるくらいスタンダードな材でㇲ。ホント扱い楽~。

 こんな風にCurionはボディーと指板材のコンビネーションが実に豊富。組み合わせはなんと10種類にもなってしまう。どうしよう。
まあ、ともかく企画は進んでおります。ご興味のある方はぜひお試しになってくださいね。

それでは。

# by Rune-guitar | 2017-03-09 00:04 | guitar repair
 Curionネタ今回はサーキット編!

Curion サーキットの秘密_c0179274_23223820.jpeg
Curionのサーキットはちょっと好みの別れるところがあるかもしれません。オールラウンドなタイプではなく、どちらかというとストレートなロック寄りの構成になってまして、なんとトーンがありません。
 これは僕自身がハードロック出身だからに他ならないんですが、師と仰ぐエディーヴァンヘイレン氏よろしくトーンって使った試しがない。てか配線切ってました。この世代には顕著に見られる傾向なんすよ。

まあ、言い訳ですね。もうそうなっちゃってるんで・・・はい。
画像をご覧いただくと分かりますが、2ハムスタイルでコントローラーはポット2つにSW2つ。よく間違えられるコントロールパネルのレバーSWはPUセレクタ―ではありません。PUセレクタ―は6弦側の肩にあるコレです。あらら、フロントとリアが逆に表記されてますね。ごめんなさい。実際はレスポールなどと同様の構成です。
Curion サーキットの秘密_c0179274_23245317.jpg
 この右側の方、足がいっぱい生えてるヤツを使ってます。3WAY 12ピン ミニトグルSW。操作感がなかなかGOOOOOOOOD!な一品。パチパチとしっかり切り替えた感があって好きです。


 では、コンパネ側のレバーSWと2つあるノブのもう一つは? レバーはワイアリングセレクタ―、ノブはコイルバランサーとなっておりますね。これがCurionサーキット最大の特徴になります。

 まず、コイルバランサー。コイツはリアPUに対して作用する機能で、ハムバッキングの片方のコイルにボリュームを付けたような回路になっとります。つまり、絞り切るとリアPUはコイルタップ状態になる訳で、一般的にはミニSW等でパチンと切り替えるところをポットで無段階に変化させる事が出来るんです。
 開発当初はもっと複雑でシリーズ~タップ~パラレルへと無段階で変えられたんですが、さすがに使わねーって事でボツになりました。要するにパラレルよりタップの方が使えたって事でㇲ。このタップ途中の音が、微妙に甘くなってこれはこれで良いかなとも思ってます。

 そして一番ややこしいレバーSW。ワイアリングセレクタ―と呼んでおりますが、イメージとしては演奏中にカチャカチャ切り替えるものではなく、予め3通りの配線パターンから1つ選んで使う感じですね。

 まず1つ目は画像での位置 "1" 。これが基本形というか、何の仕掛けもないただの2ハム1ボリュームのみ!。シンプル イズ ベスト!!特に説明いらないですね。

2つ目は飛ばして3つ目。このポジションではコイルバランサーがONになり、リアPUをどんな状態で使うか自由にセット出来ます。タップで使うも良し、中間ポジションでちょっと甘いトーンにするも良し、もちろんいつでも変更出来ます。

 そしてそして飛ばした2つ目は、このワイアリングセレクタ―が(ややこしいですよ!)PUセレクタ―がミックスポジションの時のみONになります。つまり予めバランサーを絞っておいて、リアをセレクトしてる時は普通のハムバッキングサウンド。ミックスポジではオートでコイルタップになるなんて使い方を想定してる訳でㇲ。

 更に!ボリュームポットにはハイパスフィルターを仕込んでありますが、コレもワイアリングセレクタ―と連動してて、1では機能しません。>何の仕掛けもないただの2ハム1ボリューム ですから!。 
 2番3番ではONになるので、曲によって使いやすい方を選んでください。コンデンサーは0.0022μ、抵抗は220KΩです。
 
 その他、キャビティーのシールドはかなりしつこくやってるので、ノイズはほんと少ないですよ。 ブレイクなんかで一瞬しーんとした中ジーってなるのヤですよね。僕にとっては割と優先順位上な事項。

 最後にピックアップはリアにダンカンAPH-1b ゼブラ、フロントにSM-1n niを搭載。パワーはそんなに無いですが、クセの無い使いやすい音です。ノーマルピッチですが、まあこの辺は好みで変えていただいてもよいかと。はい。
Curion サーキットの秘密_c0179274_23252926.jpg

 Curionネタ、上から順に下りてきましたが次回はボディーについて。材の違いによる個性の違いをお伝えしようかな。

それでは!


# by Rune-guitar | 2017-03-02 01:03 | guitar repair