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Rune guitar

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ギターリペアマンの視点から、仕組みやパーツなどにまつわる話しを綴っています。

フレットワイヤーについて_c0179274_11031734.jpg
 ギターの部品は基本消耗品です。弦はもちろんナットやアコギのサドル、ペグなんかも寿命は長いけど消耗品ちゃ消耗品です。そして本日のお題、フレットもこれは紛れもなく消耗品です。見た感じ取り外せなさそうだし金属だし、交換するものなのかも疑わしいですがペグよりは寿命短いです。弾き方にもよりますが、早いと2〜3年くらいで交換になる方もいらっしゃいました。今回はそんなフレットについてのお話です。

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 フレットを交換するまでには前段階があって、まずよく押さえるポジションから減りが目立ってきますよね。そのまま使い続けるとある時点で音や演奏性に支障が出てきます。あまり使わないポジションの方が高いので音がバズる(ビビる)。チョーキングした時に凸凹感が気になったり音が途切れたりなどなど。
 この場合まずはフレットのすり合わせで対応する事が多いです。均一にならしちゃうんですね。当然高さは低くなりますが、元の高さと減った量との差があまりないとか、元の高さがそれなりにあるワイヤーだった場合はこれでOK。
 ところが元から低いワイヤーだったり減りがあまりにも多いと、すり合わせた後が非常に弾きにくくなる事があります。この辺は数字で表した方がわかりやすいかな。
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 フレットの形状はだいたい半円型をしているものが多く、幅と高さは直径と半径の関係になってます。つまり幅(width)2.0mmのワイヤーは高さ(height)1.0mmといった具合。W:2.4ならH:1.2とだいたいそういう形になってます。
注:高さをクラウンと表記する事もあるようですが、個人的には形状をイメージしてしまうのでHを使ってます。
メーカーさんのサイトにはサイズが公表されてるので詳しい数字はそちらをご覧ください。終わりの方にリンク張ってます。


 で、みなさんが知りたいのはこの数字をどう見るかですよね。
 一般的によく言われているのは ”高さが低いと弦を押さえにくい” これが一番かな。弦を押さえる時に指板も押さえるから、チョーキングの時にはちょっと余計に力が要るとかビブラートかける時に滑りが悪いとか、バレーコードなんかもそうか。
 やはりフレットは高い方が弾きやすく感じますが、高さ故にスライド時に躓くという声もあります。加えて押さえる強さでピッチが変わりやすいというデメリットもありますが、これは慣れてしまえば大した事無いです。

 一方で幅はアタック音に微妙な違いが現れます。これは幅というよりも頂点のR(弧)の大きさとして見るべき。当然高さが上がれば幅も広くなる訳で、極端に言えばどんどん平らになっていくんです。
 そうすると点が面になるというか、弦が接している部分が多くなる。振動している最中にフレットに当たって、あまりに平だとシタールのようなミョ~ンという異音が出たりします。つまりはシャープさに欠けるトーンになる。
 まあこれがハードロックなどのディストーションサウンドがメインの場合はアンプからのトーンもあるからたいして問題にはならないし、逆に金属の質量が増えている分よりメタリックな音にもなっているので、デカいフレットの人気はそんな所でもあります。

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 僕の個人的なカテゴリ分けで言うとミディアムサイズのW:2.4、H:1.2が中央値で、それよりもアコースティックな感じや和音の分離を重視するならより細いサイズ。弾きやすさや倍音の多いトーンが欲しいならより太いワイヤーをお勧めします。細い順にナロー(W:2.0、H:1.0〜)、ミディアム、ミディアムジャンボ、ジャンボ、エクストラジャンボ(〜W:2.99、H:1.47)なんて呼んだりもしますが、結構適当なので数字の方が間違いないです。
 また、サイズには幅と高さの他にTang(タン)という部分の厚みがあります。足とか呼んでますが指板の溝にはまる所ですね。ここは僕ら施工側が気にすればよい所なのでプレイヤーの方にはあまり関係ないですが、ミリ、インチ含めて何種類かあり、ギターとの組み合わせによってはおすすめしないパターンもある事は知っておいて損は無いです。
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 話しを戻して肝心の弾きにくくなる高さはというと、僕は0.6mmで交換を勧めています。例えばすり合わせを繰り返して現状の高さが0.7くらいだった場合、もしくはあまりに減りが大きい場合は、完了後の高さが0.6を切る事もあり得るので、そこはあらかじめお話ししておきます。減りは消えても弾きにくくなってしまうのでは意味無いし、またフレットの頭もより平らに近くなっていくので、シャープさも欠けていきます。フレットの寿命はそんな所が判断材料になってる訳です。

 余談ですが、よく見るusedでフレット残り何割とかの表記は元の高さが判らない事が多いので、見た目どのくらい減ってるかをイメージする方がリアルなんじゃないかと。元が1mmと1.4mmでは同じ割合でも実用では判断が分かれます。


 では、いざフレットを交換することになったら何を考えればよいか? 元と変わらないのが良ければ、同じサイズの物でと伝えればだいたい間違いないです。幅から元の高さは決まるので。
 しかしたまにちょっと特殊なワイヤーもあるので、こんな風に使いたいとイメージなりを伝えるのも良いです。こちらからおススメも出来ますし。
 たとえばジムダンロップの6105というワイヤーはW:2.29×H:1.40と、幅の割に高さのあるタイプです これは高さは欲しいが音はシャープさが欲しいなんて場合に選ばれる形状で、スティーブヴァイの使用で有名になったワイヤーですね。
 このタイプはすり合わせで高さが低くなった場合に元が判断しにくいので、サンプルから確認して選んでいただく事が多いワイヤーでもあります。
フレットワイヤーについて_c0179274_11243251.jpg

 6105に限らず好きなアーティストが使ってる物や、好きな音楽に向いている物という見方も良いと思います。アコースティックギターなど音の粒がハッキリ出てくれた方がよいなら細目で、チョーキングもしないならナロー一択でしょうし、歪んだトーンでよりハードなサウンドならジャンボはやはり似合います。
 いずれも音と演奏性のバランスで考えると、好みから理想のワイヤーを絞り込めますよ。


 それともう1点、音にも演奏性にも関係するのが材質です。一般的には18%ニッケルシルバーというのが使われてますが、最近ではステンレスがいいとか聞いた事ないでしょうか。本来は錆びないのでいつも表面がスベスベして滑らかな弾き心地が売りだったんですが、その硬さ故に音も硬い。それもかなり。
 随分前になりますが市場に出た当初はかなりジャンルを選んだワイヤーでした。しかし最近では硬さを調整したステンレスワイヤーも多くなってきて、音色面でも選択肢として十分な存在になったのでどっちがいいか迷う事も。
 また硬度次第ではありますが、寿命が長いのもメリットとして大きいです。とにかく減らない。硬いヤツは軽く倍以上は持ちます。交換時にはやや割高ですが(施工が大変&工具が持たない)、長い目で見るとコスパ高いです。
 
 
 最後に主なメーカーの特徴を挙げておきます。参考にしてみてくださいね。

国産のフレットメーカーで、種類は多くはないが絶妙なポイントを押さえたラインナップ。修理用に足の幅や高さを微妙に変えた型もあるので、僕にはとてもありがたいメーカー。国産ギターによく使われているワイヤーです。(今は国産ギターが少ないので微妙な表現になってしまうが)

アメリカのスチュワートマクドナルドというギターパーツや工具などの通販サイトで、オリジナルのフレットワイヤーがラインナップされてます。僕の所では#147、#152をよく使ってますが、60年代ギブソン用とかバンジョー用なんかもある。足がインチサイズでしかもちょっと太くなってるので、USA物のリフレットには相性が良い。

交換用フレットワイヤーの老舗みたいなメーカー。ジムダン6100や6000といえばイングヴェイ他多くのハード系ギタリスト御用達のジャンボフレットの代名詞。とりあえずデカいフレットの走りですが、ステンレスではないものの硬度が高く(普通の硬度もある)、その長寿命と演奏性を知らしめたメーカー。
サイズのラインナップは豊富だけど入手となるとやや限定されるかも。

日本屈指のカスタムギターメーカー。オリジナルパーツはこだわりの塊で、トレモロユニットやジョイントプレートに加え、ステンレスのフレットワイヤーは人気商品。硬さ違いのスピードタイプとウォームタイプがある。ウォームタイプはニッケルシルバーとの音の隔たりが少ないので、錆びないのはありがたいけど音が変わるのはイヤという方にはお勧め。リンクはステンレスフレットの方です。

おそらく今一番名前を聞くフレットメーカー。サイズ的にはジムダンの何々タイプみたいに、形状はほぼまんまのものが多い。ニッケルシルバーとステンレスの2種類があって、人気に火がついたのはステンレスの方から。そのステンレス、硬さはあるのだけど音に影響が少なく、ギラギラした感じがあまり無いのでアコギに打つ人もいるくらい。立ち上がりや切れが良く、上手くなった気にさせるワイヤー。因みにウチのオリジナルギターは47095のステンレスを使ってます。


 さてさて今回はお役立ちらしい話になったのではないかと。フレットは長く使うと必ずといっていいほど交換時期が来ます。それは同時にネックのちょっとした歪みを取るチャンスでもあります。なので交換後はまるでギターが生まれ変わったようにも感じるくらいのリペアになるので、交換するワイヤー選びはじっくり検討してください。この時が結構たのしいので。

それでは。


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# by Rune-guitar | 2023-10-09 11:34 | guitar repair
チューニング 純正律と平均律_c0179274_00140403.jpg
 純正律と平均律。これって学校で習ってるとしたらいつだったんだろうか? 正直小学校の頃から音楽の成績は良くなくて、中3でギターを始めてから独学で覚えてきた事の方が断然多い。最初はアドリブとか出来たらカッコイイだろうなと思って、高2くらいからスケールとかやり出して。楽典買ったのは20歳過ぎてたかもしれない。

 楽典てのは音楽理論の教科書みたいな、なんだか堅苦しい文章で取っ付き辛い本。でもアレって頭から読むもんじゃなくて、わからない所を調べる物。そう考えるようにしてからは逆によく見るようになって、そのわからない事の中の一つがこの純正律と平均律でした。
 どちらもドレミファ〜の音律の事なんだけど微妙に違っていて、今一般的なのは平均律の方。もちろんギターは平均律の音律が出るように作られてます。

チューニング 純正律と平均律_c0179274_00161869.jpg
 この2つの違いは一言では説明が難しいので、大まかに順を追って話すと、大昔ある音にもう一つ音を重ねた時にキレイな響きになる組み合わせが見つかった。そのルールは周波数の比率だそうで、例えばA=440Hzを基音とするとE=660Hzは5度の関係になる。比率は2:3。弦の長さで言うと5弦開放Aを1とすると同7フレットのEは2/3に当たる。このシンプルな比率がキレイな響きに必要な要素で、これを積み重ねて出来たのがピタゴラス音律。

 この辺の詳しい話しはググってもらうとして、この音律での組み合わせは響きがキレイなのがポイントなんだけど、うまくキレイに響かない組み合わせもある。それを補正発展させて出来たのが純正律という訳。
 最近はこの音律に近い響きが得られるフレッティングが施されてるギターも出てきてますね。

 しかし、この純正律にも欠点があって、一つの調(キー)にしか対応出来ない。キーCで調律された場合、ドに対してのミとソはキレイだけど、レに対してのファ#とラ、つまりキーDはうまく調和しない。
 そこでまた改良を加えて、あらゆるキーに対応出来るようにしたのが平均律。ザックリ言うとどのキーでもちょっとずつズレてるんだけど、わかんないっしょ? ていう感じ。
 純正律のような揺れの少ない美しい和音は得られない代わりに、調に縛られない自由を得た訳です。

 この全てのキーに対応出来るってのはすごく革命的で、以後ピアノやギターを始め多くの楽器に取り入れられて、今耳にする音楽はほぼ全て平均律で作られてます。

チューニング 純正律と平均律_c0179274_00310827.jpg
 そこで本題。ではギターのチューニングはホントに平均律なのか?
 今どきチューニングを耳で合わせる人はどのくらいいるかわからないけど、昔は音叉と耳で合わせるのが普通だった。2本の弦を鳴らしてウネリが無くなる様に合わせるんだけど、これ少なくとも隣り合う弦とかよく使うキーのコードでは部分的に純正律っぽい合わせ方になっていると思われる。ウネリを無くすように合わせるのだから。

 反対にチューナーを使ってる場合は開放から全て平均律になっているはず。どの和音もややウネるが、どのキーでも安定した和音になるし、他の楽器(例えばキーボード)等とユニゾンになる場合はこの方が自然だ。

 その部分的に純正律に近いチューニング。これは開放のチューニングだけではなく、オクターブピッチの合わせ方でも大きく変わってきます。
 そもそもアレはなんで未だに12Fなのか? おそらく昔はチューナーとか無かったから、耳で合わせるのに一番わかり易いように12Fになったってだけじゃないかな。今はクロマチックチューナーというどのポジションでも合わせられるのがあるんだから、低音弦なんかは5Fとかで合わせた方でよいです。だいたいイントネーションピッチが合わせられる範囲ってそんなに広くなくて、太い弦なんかは弦長の1/3くらいの範囲しか合わないです。つまり12Fで合わせたら5Fは合わない。よく使うポジションだけ合ってればOKなんです。

 さてさてまた長話しになりましたが、まとめるとギターはチューナーで合わせた時とそれを耳で補正した時とで、平均律なのに純正律っぽい響きにする事も出来る、ある意味ハイブリッドな楽器であるという事。かな?

 以前、平均律と純正律をフレット位置に置き換えたらどのくらいの差があるのか調べたら、音程によってはかなりの開きがあった。
それ以来、ギターの精度に関してちょっと寛容になった気がします。

それではまた。
 

# by Rune-guitar | 2023-10-02 08:27 | guitar repair
 前回ネックのジョイントスクリューは締めすぎない方が云々という話しをしましましたが、どんな場合でも個々に加減は付き物なので、そこが難しい所であり、面白い所でもあったりしますね。もともとネジ全般は締めすぎ禁物なので、動かなければいい、緩んだらまた締めればいいくらいの感覚でもよいと思います。電装系など緩んで困る所には緩み止め等それなりの対策も出来ますしね。まあ何事もバランスです。
ギターにまつわるいろんな説 2  シンクロナイズドトレモロユニット_c0179274_16381599.jpg
 そう、ギターのセッティングで結構大事なのはそのバランスを取るという点です。丁度良い落とし所。いろんな人間がいるようにギターも個々に違うので、それぞれに合ったバランスで整えてやります。エレキなんかもうほとんどネジで調整出来るし、特にストラトタイプの場合は相当な変化を期待出来るので、やった事のない方はトライしてみてくださいね。なんとなくでも解る事が増えると、上達に繋がったりもするのでね。

 そこで今回はストラト系ギターの最大の魅力?シンクロナイズドトレモロユニットのセットアップにまつわる話しをしましょう。これもネット上にはセットアップ方法がたくさんあると思うので、方法よりも考え方に重点を置いて話したいと思います。
 因みにシンクロナイズドトレモロはフェンダー社の製品名なので、同型の他社製品はヴィンテージトレモロとかスタンダードトレモロとか違う名前で表記されてますが、こういう解説記事では混乱するのでここではシンクロユニットと呼ばせていただきます。下の画像のユニットについての話です。
過去にもちょっと取り上げてるので、こちらも参考までに https://runeguitar.exblog.jp/20995375/
ギターにまつわるいろんな説 2  シンクロナイズドトレモロユニット_c0179274_16394851.jpg

 シンクロユニットを調整する際の一番の課題はチューニングの維持ですかね。このユニットは6本のスクリューでボディーにマウントされてますが、新しい場合はともかくちょっと古くなってくると各スクリューに傾きや変形が生じてくる事があります。これが原因でユニットがスムーズに動かなくなると、アームダウン後の戻りが悪くなり元の位置に戻り切らない状態になります。ちょっとダウンした状態で止まってしまうので、音程はフラット気味に。アームアップが出来るフローティングにセットされてる場合はアップする事で元に戻ったりします。
 こういうのをアームとうまく付き合うとか言いますが、これは無くせません。極力減らす努力は出来ても無くなりはしないので、そこは前提として知っておいてください。



ギターにまつわるいろんな説 2  シンクロナイズドトレモロユニット_c0179274_16521272.jpg
 対策としては6本のネジを微妙に回転させて一番動きがスムーズになるポイントを探すのですが、これは弦を外して裏のスプリングも取って完全にフリーの状態にしてやると判りやすいです。出来たら一度ネジも全て取り払ってユニットも外して、ボディーのネジ穴周辺をちょっと掃除して固形ワックスとか塗っておくとよい。
 そしてまず1、6弦部のネジから留めてみて、動かして確認しながら残りのネジを入れていくと動きのよろしくないネジが判ったりする。ネジはアームを使うかどうかによってネジ込む高さが違うので、ここは要注意。
 よく両端の2本と中4本で変えるとかありますが、あれは両端2本だけキチっとやって中4本は干渉を抑える為に緩めにという発想。当然ベタ付で使う場合には意味はないし、それで動きがスムースになる訳でもないです。大事なのは締め込む高さ。これは図を参照されたし。
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 こんな風にネジの頭が動作の邪魔をしない事、あと締め過ぎ!そこを意識するとよいです。


 そしてここも大事。裏のスプリングの張り具合。これはスプリングそのものにもいろいろあるからそっちは置いといて、フローティングとベタ付けとダウンのみ、この3種類の使い方によるセッティングの違いを少々。
 
ギターにまつわるいろんな説 2  シンクロナイズドトレモロユニット_c0179274_16442558.jpg
 まずフローティングはどの程度アップさせるかが一つポイント。これの基準として3弦解放のGが使われます。”3弦Gで1音くらい” これが一般的。もちろん音程に囚われない感覚的なものでも全く構わないけど、先のダウンの戻りが悪い時とか、ナットやペグでの弦のたわみを解消する際にこれくらい引っ張れると直りやすいというのはあります。概ね1.5音くらいまでがいい所かな。ちょい高めにしておくと音楽的にも収まりやすい。
 スプリングの本数とハンガーの締め具合はゲージによって異なるが、0942だとスプリングは3本がよいと思う。Raw Vintage でも5本は多いかも。この辺はアップする量と相談してください。1046だと4本で弱め。3本で強めも出来なくはないけどバーに掛かる負担を意識して決めるとよいかな。


 次にベタ付け。これはバーを使用しないのだから、あまりシビアな事は無いが、やはりあまり強い力で引っ張る必要はないかと。クラプトンとかスプリング5本パンパンで更にブロック入れて動かなくしてるけど、通常はおススメしません。確かにフローティングよりもベタの方が音はしっかりするけど、ネックジョイントと同様押さえつける力が強くなりすぎると逆効果になる。
 ただし、チョーキング時に浮き上がるようだと、ダブルチョークでは隣の弦がフラットしちゃうので、その程度では浮き上がらないくらいの張り具合が一つ基準になります。フローティングではわざわざ隣の弦もすこしチョークして音程を合わせたりするけど、アーム使わないのにそこに気を遣う事も無いという考え方。


 最後にダウンのみ使う場合。これはアーム使うけどベタ付けの音も欲しい。アップ使わないし。弦切れた時にフローティングだと全部のチューニングが狂うのがイヤ。という方が選ぶセッティング。確かに弦が切れた時の安心感は捨てがたいけど、ダウン後のチューニングをアップして修正する方法が使えないので、調整としては一番ハードルが高い。ユニットの戻りはよしとして、ナット滑りや弦の巻き方など、プレイヤー自身によるちょっとしたメンテが必要でもあるので、なかなかお付き合いが大変なお方でもある。ポイントはベタ付け同様スプリングの張り具合。どれだけ力をかけたらダウンするのかで判断。個人的にはやはり無駄に押さえつけたくないので、あちこちチョーキングしながら浮くか浮かないか、またはバーを軽く動かしてみて扱いにくい動きにならないくらいの張り具合にします。バーの負担も意識したい。
 この張り具合を決めてる時、ユニットとボディーの着き具合で音がどのように変わるかをチェックすると、振動の伝わり方が接する力と関係あることがよく判りますよ。


以上、バネの張り具合もネジの締め具合もやはりバランス。そういうお話でした。
調整ってやり方は分かっても正しい着地点がわからないというのが多いと思います。でもそれはある程度自分で決めてよいというかあまり縛られるほどの事でもないので、ちょこちょこ弄って様子をみての繰り返しもありです。そのうち自分にとってのツボが見えてくるので、根気よくやってください。
 ぐちゃぐちゃになったら持ってきてください。なんとかなりますから。
最後にまたまた営業。賢そうな赤と悪そうな白。ぜひご覧ください。

それでは。

# by Rune-guitar | 2023-09-24 20:23 | guitar repair

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