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Rune guitar

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ギターリペアと日々のコト・・・

 当方オリジナルギター "Curion" ネタの続報です。この前フェイスブックページの方に挙げようとしたらどうにも上手くいかないので、こちらで改めて。インスタだと文字多いのも気が引けるしね。

 で、フェイスブックページで途中になっていた話の続きですが、そう、Curionのネックポケットは他の一般的なボルトオンジョイントのギターよりも1mmほど深くなっています。これは別にそうすると音が良くなるとかそういうのでは全くなく、狙いはサドルのセットアップを低めにしたいからなのでㇲ。

Curion ネックジョイントの秘密_c0179274_00390862.jpg

 これは僕が事あるごとにあちこちで言って回っている、ローポジションでのイントネーションチューニングに関わる事でして、ズバリ!ナット及びサドル上での弦との摩擦が大きくなるとオクターブチューニングはシャープする傾向にあるのです。

 よく分かんないでしょ?

 もうちょっと具体的に言うと、ストラトの6弦のローポジションって音合いにくくないですか? 例えば3フレットのGとか。まあ、強く押さえちゃいがちですけど、そう言うんではなく、ローコードのGで3弦開放のGと比べるとなんか上ずってるような感じ。特に太いフレットなんかだとより顕著になりますよね。これをなんとかしたい訳でㇲ。

 そもそもオクターブチューニングって必ずしも12Fで合わせる必要は無くて、肝心なポジションで合っててこそです。なので、低音弦では5Fとかを中心に合わせたりします。ところが!6弦に於いてはサドルを目いっぱい後退させてもなんか追いつかない。ていうか途中からサドルの後退量に見合うピッチの変化が得られなくなってくる。

 ここです! サドルを後退させると弦がサドル上でより強く折れ曲がるので、摩擦係数が上がっちゃうんですね。詳しいメカニズムはブログレベルではあまりに長くなるので割愛しますが、要するにサドル上で弦に付く角度がきつくなるとシャープ率が上がる傾向にある故、サドルを後退させて弦長を稼いでも帳消しになってしまう。オクターブ調整が上手くいかなくなるんです。

 これを解消する(回避する?)にはどうしたらいいかって~と、この角度を緩くする為に2つの方法があります。

 一つは弦高を下げる。というより正確にはサドルの高さを下げる。ストラトのシンクロトレモロではブリッジプレートの弦が出てくる位置が変えられないので、サドルを後退させて角度がきつくなった分、サドルの高さを下げる事で元の角度に近づけることが出来ます。

 もう一つはブリッジごと後退させる。サドルを後退させる代わりにブリッジごと下げてしまえばサドル部分での角度増は防げます。ま、これは大工事になっちゃいますが。

Curion ネックジョイントの秘密_c0179274_00400259.jpg

 Curion ではこの両方をやってる訳です。サドルを低くセットする為にネックの位置をより深く落とし込み、サドルの後退を最小限に抑える為にブリッジの取り付け位置を1mm程度後ろにしています。


 説明がへたくそで申し訳ないですが、重ねて言うと今回のお題ネックポケットの深さは、サドルの高さを低めにした結果、必要な弦高が得られなくなる対策として、ネック位置を下げて弦高を稼ぐ為のものだったんです。
 ついでに言っちゃうと、通常のシンクロトレモロのサドル高さ調整用ネジは長さ10mm(1,6弦は8mm)ですが、Curionでは全て8mmのステンレスに交換してます。(gotoh510のユニットでは1,6弦はネジの下に溝があり、ちょっと深くなってるので実質7.5mmくらい?)


 おわかりいただけましたでしょうか。昔はストラトのジョイントってもっと深かったように記憶してるんですけどね。ボディートップからネックがどの位出てるか。多分22フレットになってフロイドローズなんかが出てきた辺りからどうも今の形になってしまったように感じます。工場の都合なのか、そうやってその都度部分部分で変えていったツケですね。

さあ、そんなこんなで次回はサーキットの話をしましょうかね。それでは。

# by Rune-guitar | 2017-02-28 00:47 | guitar repair

Curion 量産モデル発売決定!_c0179274_03410738.jpg


前回のブログで取り上げた、当方のオリジナルギター“Curion”が量産モデルとして販売開始なるか!?という話ですが・・・

なりました!

はい、長年の企てが遂にカタチになりまして、正直“大丈夫なのか?ルーンギター!”との声も聞こえてきそうですが、こういう事はやらないといつまでも出来ないので、やっちまいました。あとはもう、いかにこのギターを知っていただくか。ホント物は良いのでぜひお試しいただきたい。ってまだ完成してないんですけどね。

でもまあ善は急げで、このギターの特徴をざっとご紹介!


基本的にはフェンダー系のテイストで、レリック調のフィニッシュも相まってヴィンテージ寄りのギターに見受けられそうですが、いやいやコイツの一番の売りはその設計概念なんです。

Curion 量産モデル発売決定!_c0179274_03412554.jpg


もともとこの手のボルトオンスタイルの基礎はもう60年以上昔のもの。当時まだ弦のゲージは太く、フレットは細く、プレイスタイルもシンプルなものが多かった時代。そもそもこの設計自体が異色でさえあった訳で、それを大した改良もなされずに今なお現場で使用されてるのはもう“さすがレオ・フェンダー!”としか言いようがないんですが、いやしかし!“やっぱ直すところは直しましょうよ”って部分があるのも事実。こちとら直すのが本業なんで。

で、いろいろその基礎からちょっとずつ都合の悪いところを私なりに変えていった集大成がこのCurion。詳しくはWEBSITEを見ていただくとして、ポイントを列挙していこう。

Curion 量産モデル発売決定!_c0179274_03061159.jpg




1、ストラトより短くレスポールより長い、PRSよりもちょっとだけ長い25.25インチスケール。ニコニコって覚えて下さい!


2、ヘッドには約1度のアングル付き。3弦のテンションが稼ぎやすい。


3、フレットは今人気のジェスカーステンレス。音の立ち上がり、分離がGOOD


4、指板はもちろんコンパウンドラディアス。12Fで10インチRなので低い弦高にも対応。


5、ナット、ブリッジの位置を僅かに修正する事で、よりローポジションに強いオクターブチューニングが可能に。


6、ブリッジはGOTOH 510シリーズのスチールブロックを採用!これホント音良い!おまけにRAW VINTAGEのスプリングとくれば悪い訳がない。


7、徹底したシールド処理でかなりのローノイズ。パッシブ回路なのにキャビティーシールドの無いアクティブPUよりもローノイズ。まあハムバッカーだけどね。



Curion 量産モデル発売決定!_c0179274_03054513.jpg


てな具合で、どちらかと言えばハイエンド寄りの、現場寄りのギターなんです。でも若い人しか似合わないようなルックスじゃなくて、“コイツ俺と同い年”的な付き合い方も出来るような、そんな相棒になってほしいんです。

この他にも色々隠しネタあるんですが、それはHP見て下さい。まだこの量産モデルのページは無いんですが(物がまだ無いので)オールハンドメイドモデルのページが参考になります。外見ではペグが変わるくらい。あ、ハンドメイドモデルは定価設定が違いまして、量産型は実売価格で30万前後を予定しています。

それでは完成の暁にはまたお知らせいたしますので、乞うご期待を!

Curion 量産モデル発売決定!_c0179274_03053965.jpg



お問い合わせはメールでも受け付けております。

おまけに予約まで受け付けちゃいます。とりあえず初回6本なのでお早めに!

Curion 量産モデル発売決定!_c0179274_03412925.jpg


これはイメージね。

ではまた。


# by Rune-guitar | 2017-02-03 03:27 | guitar repair
Curion 新シリーズなるか!?_c0179274_00412431.jpg
 先ほど古い記事をチェックしていて、この記事を見つけた。
http://runeguitar.exblog.jp/9985086/
2008年。8年前の記事である。時の経つのは早いもんですな。

 実はこのウチのオリジナルギター(詳細こちら)は、製品としては3機種あるが製作本数は各1本づつ。つまりまだ世に出ているのは3本きりなのだ。幸い3本とも奉公に出れたのでよかったけど、なんだかこのままではフェードアウトしてしまいそうで、ちょっと気にかけていたところだった。

 全く自慢にもならないのだが、なにせ修理業の方がメインなので、こっちに追われているうちは製作はまず出来ない。これ以降作れてないって事か→。http://runeguitar.exblog.jp/15222120/

 そんなこんなしている中、先日の事。大阪にあるストリングフォニックの竹本氏とちょっとしたやりとりの中、OEM生産の話になった。OEMとは外部の工場などに商品の生産を委託する事で、自社工場を持たないメーカーの製品はすべてOEMという事になる。国内のハイエンド系ギターにはよくある形態だ。で、ウチも量産するなら考えてみてはどうかと。

 まあ、完成品としてではなくボディーやネックの半加工というか塗装前の段階までやってもらって、組み込みと塗装は自分でやろうかなと思っているのだが、はたしてどうなるのか、只今見積り待ち。1ロットの本数は?とかもね。

 一応従来のモデルは完全ハンドメイドとして残しておいて、別シリーズとしてやろうかなとも考えてる。ローズ指板にしてボディーには違う材を使ったりとか、グリップやヒールカットなんかもどうかな・・・なんてね。

 さてさて、この企画、吉と出るか凶と出るか???凶はちと困るが。ま、とにかくゆっくり慎重にやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
Curion 新シリーズなるか!?_c0179274_00441214.jpg
これは上のギターと同一の物。カラーサンプルとしてレタッチしてみたよ。






# by Rune-guitar | 2016-06-25 01:52 | guitar repair
ハカランダ指板キーホルダー その2_c0179274_940815.jpg

大変ありがたい事に、ハカランダバージョンの指板キーホルダーが完売しました。と言ってもたまたま材が手に入って、じゃちょっとやってみようかという流れだったので、とりあえず用意出来る分は10本しか無かったんです。

(6/15追記:追加発注した材が確保出来たので、あと10本カートに用意しました。ご興味お有りの方はこちらまで http://runeguitar.cart.fc2.com/ )

なにせ製品時の表面積が狭いので、かっこいい部分を選ぶと使える所は意外と少なくなっちゃうんですね。半分くらいかな。



ハカランダ指板キーホルダー その2_c0179274_945393.jpg

↑ ね、右端の材は半分くらいはマダガスカルとかと変わんないんで使えないです。更に実際に使う部分を切り出していくとこんな感じ。↓



ハカランダ指板キーホルダー その2_c0179274_946549.jpg

見た目のイメージとしてはこの位のグレードは確保してます。基本茶の部分に木目が入って、そこにこげ茶が多いか少ないか。こげ茶1色は使いません。まあ塗装無しのローズウッドなので酸化して黒っぽくはなっていきますが、そういう味の部分と元から無表情なのは違いますからね。


サイズは大雑把に長さ10センチくらい、厚みは5ミリほどです。使っているフレットやポジションは実際にギターに使われているものと同じ。フレットの端の処理なんかもちゃんとやってます。

しかし、ノーマルバージョンとの価格差を考えるとここまで早く無くなるとは思っていなかったので、慌ててまた材を発注しました。まだ面は見てないですが、なんとかもうちょっと提供出来るのではないかと、はい。
ご注文が間に合わなかったお客様。材が入荷次第、またカートからご予約出来るようになりますので、よろしくお願いします。

では、ご注文くださった皆様、お届けまで今しばらくお待ちください。7月頭ごろの出荷を見込んでます。


それでは。
# by Rune-guitar | 2016-06-12 10:12 | いろんな事
ついにやってしまいました!大人気の指板型キーホルダーのNEWバージョン。贅沢にもブラジリアンローズウッドを使用した限定制作?になるかもしれない特別仕様です!
とりあえずの詳細はカートとHPに載せてありますが、ブログにはまた後ほど。ぜひチェックしてみてくださいね〜。http://www.runeguitar.com/
http://runeguitar.cart.fc2.com/

ハカランダ指板キーホルダー!!_c0179274_3295163.jpg
ハカランダ指板キーホルダー!!_c0179274_3322481.jpg
ハカランダ指板キーホルダー!!_c0179274_330812.jpg

# by Rune-guitar | 2016-06-11 03:33 | guitar repair