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Rune guitar

runeguitar.exblog.jp

ギターリペアマンの視点から、仕組みやパーツなどにまつわる話しを綴っています。

 製作やってる方は皆さんご自分のロゴをもってらっしゃるかと思うが、僕も今回初めてデカールを発注してみた。フェンダースタイルとでも言えばよいのか、いわゆる水転写シールを作ってもらったのだ。

 製作って技術的なものよりも販売に至るまでのノウハウの方が必要らしい。段取りというヤツか。本体の方はもう2年くらい前から手掛けて、プロト含めて何本か作ってたけどロゴのデザインや付属品(ケースとか)なんかが全部後回しになってて、結局今になってもまだパッケージが定まってない。

 ま、とりあえず初めて自分のロゴのついたギターが出来たので写真撮ってみた。ヘッドだけだけど。こんなんです。

ロゴ_c0179274_293841.jpg


 全体的にフェンダースタイルを踏襲してるのでトップコート無しの直貼りだ。少数生産なので、一枚あたりの単価がバカにならない。ほとんどが版代だから枚数が多いほど単価は下がるが、生涯かけて何本作れるかもわかんないのでまずは50枚。一枚あたり¥1,000くらいになるので失敗するとちと痛い。

 でも、やっぱロゴが入ると面構え変わるねぇ〜。名乗ってる以上変な者ではござらんという証しだからかな。自分の子の門出みたいな気がするよ。後は身支度整えて、今月中にはお店に並べてもらえるのではないかという所。(なんてケースは今日発注だし、まだ保証書作ってないし、展示用のポップやカタログもしくは仕様書なんかもこれからだ)

 ね、メーカーさんて大変だなあと思うよ。1ロット何百本て単位でギターを企画、生産、販売する。当然売りっぱなしな訳も無い。アフターの事もある。幸い?ウチは修理屋だからこの点は心配しなくていいけどね。ブランドロゴってそういう責任の意思表示なんだな。

 さあ、このギターは皆さんからどんな評価を頂くんでしょうか。腹くくっとかないとな。万人に受け入れられる筈は無いんだから。むしろかなりの単一指向性ギターだし、オールハンドメイド故マシン加工にゃ適わない部分もある。

 ただし、一本一本の細かい所に手を入れられるのは手工のなせる技だ。そういう所を大事に作っていこう。出来合いのネック、ボディーで作れる設計じゃないんだから。



 でもホント生涯に何本作れるんだろう。デカール余っちゃったりして...。
ロゴ_c0179274_21063.jpg

# by rune-guitar | 2009-01-07 02:13 | guitar repair
 12月14日。やっと重い腰をあげ行って来た。

 上野、東京都美術館フェルメール展。小雨の降る中、閉館も近い3時頃だったが美術館前は長蛇の列。なんの下調べも無く行ったので、正直ビックリした。更にチケット売り場の前で初めて目当ての作品が出展されてない事を知ってまたビックリ。というかショック!。2時間もかけてここまで来て引くにも引けない。チケットを買って列の最後尾へ。

 ”ここから1時間待ちで〜す” 驚きだ。一体何人来てるんだ?。(後で調べたらなんと934,222人だったらしい)さすがテレビの力。面倒臭がりの僕でさえ足を運んでしまったのは番組を観たからだ。そこで紹介されてた作品が出てないのを知らなかった人は僕だけではなかったらしく、後ろの人もガッカリしてたっけ。


 さて、そのフェルメール展。”光りの天才画家とデルフトの巨匠たち”とサブタイトルがついている。デルフトというのはオランダの地名との事。17世紀頃のデルフトの画家達の作品展という事か。
 展示作品数は40点。そのうちフェルメールの作品は7点。彼は生涯でたった30数作品しか遺してないので、わずか7点でも約2割の作品が集まった事になる。目玉無しでもこれは凄い事なのかもしれない。実際、出展不可になった理由は作品保護の為らしいので、仕方あるまいね。

 待つ事1時間、ようやく中に入る。 ...暗い。作品保護の為の国際基準だそうだ。ん〜観づらい..がこれもしょうがない。なんせ350年前の絵だ。みんな食い入るように観てる。
 最初の23点はカレル・ファブリティウス、ピーテル・デ・ホーホといった巨匠(らしい。知らなかった)作品が並ぶ。個人的に気に入ったのはヘラルト・ハウクヘーストという画家の作品”デルフト新教会の回廊”という絵。高い吹き抜けの建物の中に差し込む光りが柱を照らしている様が、どう見てもホントに光ってるように見える。写真よりも光って見える。キャンバスの表面を見ようとしても見えない。あたかもそこにそういう光りが有るようにしか見えない。エアブラシも無きゃフォトショップもないこの時代の、画家の画家たるものを見せつけられた気分だ。


 そしてやっと辿り着いた人の壁..じゃなくてフェルメール作品。予想はしていたが案の定 ”立ち止まらずにゆっくりおすすみくださ〜い”の誘導。向こうも事故防止の仕事だ。しゃぁないが絵に入り込むのは少々難しい。


 だが粘りながら限られた時間内で観た彼の作品は、

 ダントツだ。

 悪いけど他の展示作品とは格が違う。まず人物の描写を彼のように描いている作品は他に無く、背景と人物とにギャップを感じてしまう作品が多い。あるいはパースや遠近感に歪みを感じたりとか...。なんかエラそうで恐縮だが、フェルメールの作品にはそういったものが微塵も無い。ホントにズレが無いのか感じさせないのか判らないがそんな事どうでもよくなる。特別出展作品の ”手紙を書く婦人と召使い” なんかはその最たるものだ。
 そこに現実に空間があって2人の人物が何か話しているような、そういう生きた時間の流れさえ感じられる。これが本物か...。
 その他の作品でも、彼は描かれた人物の想いや言葉?まで伝えようとする。これほどまでに活きた人物を描いてる画家は今回は彼一人だった気がする。”光りの天才画家”だけでは言葉不足なのでは?。



 口が開いてる自分に気づく。



 最後は別のブース(2階)でフェルメール全作品の原寸大の写真を展示。予定されていながら出展不可となった”絵画芸術”は思ったよりもデカかった。大作だったのだ。残念。

 そしてお約束のグッズ販売コーナー。大盛況。出展作品のポストカードがあったけどカレル・ファブリティウスの自画像のは売れたのだろうか?。そんな余計な事を気にしながら美術館を後にした。

 雨はやんでいて、西洋美術館のイルミネーションがきれいだった。
# by rune-guitar | 2008-12-16 03:06 | 絵の事
 いや、あまりたいした事じゃないんだけど、この前、知り合いの若いリペアマンと工具の話をした事があって、その時にコレいいよって紹介したやつ。

 OLFAというブランド、知ってる方も多いと思う。デザインナイフは使ってる人も多いし。僕も重宝しているが、その他、これも今や必需品。
コレ便利_c0179274_233112.jpg

名前忘れたけどこのミニノコ、フレットのスロットを掃除する時に非常に便利。刃厚はアサリ(いっちょまえに付いている)含めて0.4mm位なので、余裕でスロットに入る。あ、コレは短くカットしてますが。しかも溝の底面や隅っこの方だけ削れるので、むやみに溝の幅を広げずに済む。溝の中のアロンはかなりの厄介者だが、コイツと
コレ便利_c0179274_214474.jpg

コイツがあると結構ラク。さしずめミニノミ。ミニチゼルと言った方が良い?
実はコレ先述のデザインナイフの根本側を加工したもの。
コレ便利_c0179274_217779.jpg

こっちも刃厚は0.4mm位。ノコと比べるとアサリの分だけ厚いがギリギリでスロットに対してキツすぎない厚み。バインディング付きのフレット交換にはこの2つは大活躍だ。個人的にはSTEWMACから出てる専用工具よりも厚みや切れ味で勝ってると思う。

決してOLFAから金品は受け取ってない。誓うぞ。
# by rune-guitar | 2008-12-05 02:36 | guitar repair

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