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Rune guitar

runeguitar.exblog.jp

ギターリペアマンの視点から、仕組みやパーツなどにまつわる話しを綴っています。

ギターの鳴りについて_c0179274_01132547.jpg
 良いギターというものを語る上で欠かせないワードはいくつかあります。材であったり技術であったり、ものづくりではよく使われる言葉で楽器も例外ではないけど、ギターの場合これらに加え音に関するものが多くなります。例えば音の抜けや張り、伸びなどが挙がりますがそれらをひっくるめて ”鳴り” と言ったりします。

 ”鳴り” 。初心者の方にはなんとも掴みどころの無い言葉だけど、ショップの謳い文句の中には必ずと言っていいほどよく出てくるワードなので、今回はこの”鳴り”について僕なりの持論を話してみましょう。あくまで初心者の方に解かりやすいように寄せるのであしからず。



 簡単に言ってしまえば”鳴り”は音の響き方。各メーカーやモデルによって音色には特徴があるけど、それとは別の言わば”弾いた手応え”。ピッキングに対する反応の仕方を指す言葉ですね。これはアコースティックギターではよく取り上げられる要素で、モデルを問わず同じ弾き方をしても出音にかなりの差が出る事もある。
 僕もアコギはよく手掛けますが、よい鳴りをする個体は弾いた時に返ってくる反応が予想よりも大きい。エレキでもそれは同じなんだけど、アコギは箱なだけに倍増されてるから”おおぅっ”となる時も。

 ではこれの何がよいのかというと、ピッキングの強弱でコントロール出来る音量やトーンの幅が広いって所。表情豊かで表現がかなり楽になる。逆に言えば鳴らないギターは、なんだかやる気のない相棒とコントやってるような、妙なストレスっぽいものを感じるかも。あくまで主観だけどね。


 そしてその鳴りの中に、先に書いた抜けや張り、伸びがあるが、これらについても簡単に述べておこう。
 まず ”抜け” 。音ヌケとも言うがこれは音の通り方。よく ”あの人の声は通る” とか ”よく通る声” とかいうのと同じね。周りの音に埋もれずに届く音の事。張りとも関連してるかな。

 その ”張り” は、やはり声と一緒でパンチのある感じか。輪郭とも言うけど、音には形のようなものがあってモヤッとかツルっとか、音色をその表面の状態として表現したりする事が多々あります。マンガの吹き出しなんか良いイメージになるかも。やっぱ声か。抜ける音の更にアタックの瞬間みたいな意味合いになる。

 そして ”伸び” はサスティーンとも。音の持続時間については特に長い方が優れてるとか無いんだけど、普通よりも長く感じるとなんかウレシイような気もするので、短いよりは良しとされてます。もっと細かくいうとチョーキングした音が痩せずに音量が持続してると ”サスティーンあるなあ” となる。

 この他音の粒や立ち上がり、切れなど、なんだか未知の言葉はたくさんあってキリが無いので、ほんと大雑把にこれらを一括りに鳴りと呼んでる訳です。 ”いい鳴りしてるなあ” なんてね。

ギターの鳴りについて_c0179274_02451977.jpg
 しかし、この鳴りが良いとか悪いとかには明確な基準はありません。あくまで他と比較してどうか的なものと思っていただいてOK。しかもある程度のギター(まあそこそこお高いギター)になると、ほぼ無意味な言葉になります。どれもある一定のレベルはクリアしてるし、価格と比例してる訳でもなく、むしろ安くても優れたレスポンスをする個体もあったりします。
 つまりは必ずしも、もしくは人によってはそれほど重要なものではないって事です。確かに鳴りの良し悪しは存在するけど、あくまでギター選びの際に何本か弾き比べて、こっちよりあっちの方がいいとかそんなレベル。たまたま手に取ったギターの鳴りが良くて気に入ってしまったとかあるかもしれないけど、要素としては他にも大事な部分は皆さん持ってらっしゃると思うので、鳴りが一番になるかは人それぞれ。

 それでもなぜか楽器は音をとても重要視されます。ストラディバリのせいかな? あの音は再現出来ないとかで、平気で10億とかしますが、高いから音が良いのでは無くて、結果その音にその金額を出せる人がいるからその価格な訳で、あの世界だけのものです。
 話し戻しますが、ギターの値段を訊かれて答えたら ”いい音するの?” って返してくるのは大抵ギターを弾かない人。弾く人は ”どんな感じ?” みたいな反応が多いです。まあ楽器は鳴らすだけじゃなくて演奏してナンボなので、正直音は一番ではないですよね。

 大事なのはちゃんと演奏が出来る事で、一番はピッチ。オクターブも含めてチューニングがキチンと合う事。そして安定してる事。その次に演奏性。これは好みも大きいので一貫性はないけど、これで音楽になる訳だから各々に重要なポイント。そしてある程度の音色と鳴りがあれば、それは十分良い楽器になるのでお値段もそれなりになります。このラインは幅があるようだけど概ね20~40万あたりがボーダーラインみたい。これ以上は付加価値的要素が高くなっていく。

 そして今回のお題 ”鳴り” というものはこの値段に関係無く、しかもある程度以上の鳴りにはあまり意味が無いという事。ギターの種類によっては使う環境との兼ね合いで、鳴りを抑制しないとならないケースもあるほど。最終的には自分に合った鳴りが一番良い鳴りとも言えるので、このワードには惑わされないでね。

 念の為、ショップの謳い文句がインチキと言ってる訳ではないです。鳴りについて他と比べて特筆する部分があるから書かれてる訳で、それがどのレベルの話かはご自身で判断すると良いですって話し。


 ちょっと趣の違う内容になってしまったけど、これもまた何かの参考になれば幸いです。

それではまた。


# by Rune-guitar | 2023-08-24 04:19 | guitar repair
 前回のご案内に続き、こちらは特価品になりますがCurion2のもう一つのボディーシェイプであるラウンドボディーモデルContoured+のご紹介です。
Curion2 Contoured+ 特価品のご案内_c0179274_11554353.jpg

 Curionはフェンダーのオリジナルプレシジョンベースやテレキャスターベースをイメージしたオリジナルモデルですが、Contouredはオリジナルプレべに近いデザインになります。抱え心地はやはりこちらの方がしっくりきますね。ストラトとテレの違いに等しいです。6弦側のホーンの位置もストラトに合わせてるので、ストラップで吊った時のバランスもほぼストラトです。スケールが25.25インチとフェンダーより8mmほど短いですが、違和感はありません。

 今回のこの1本は個人的には推しカラーなんですが、う~ん、なぜかなかなか奉公先が決まらず、主に店頭での試奏やオリジナルブースターのテストなどで使用していた個体です。その為通常価格から30%offの¥238,700での販売としました。是非ともご検討ください。 https://runeguitar.cart.fc2.com/ca4/75/p-r-s/

Curion2 Contoured+ 特価品のご案内_c0179274_12032090.jpg
仕様は前回のRockとやや異なり、ボディーはアルダー。リアピックアップはダンカンAPH-1bとなっています。
APHはパワーはやや控えめですがCurion本来の仕様でもあり、アンプのキャラクターを活かせるサウンドとしてチョイスしたPU。slashの使用で有名でもあります。彼のは少しモディファイされて別の型番APH-2となってますね。

 
Curion2 Contoured+ 特価品のご案内_c0179274_12110665.jpg
そしてオリジナルのブースター回路も搭載してます。ブースター単体としての製品2種 https://runeguitar.cart.fc2.com/ca1/72/p-r-s/ https://runeguitar.cart.fc2.com/ca1/73/p-r-s/ とは操作方法を変えております。
製品版では省スペースを考慮してコントローラーを1つにしてますが、こちらは手元でon/offとドライブの両方をリアルタイムで操作出来るようにスイッチとノブを両方装備しました。

 
Curion2 Contoured+ 特価品のご案内_c0179274_12190627.jpg
 Curionの特徴はかなりの箇所に様々なアイディアが詰め込まれていて文章にすると読むのが嫌になってしまいそうなので、ご興味ある方はwebsite をご参照ください。スケールから始まって、ネックジョイントやヘッドアングル、ペグの配置、ナット厚、ブリッジの配置などなどたくさんあります。
 ただ1点ご注意がありまして、リンクのページはシステムの関係で表示価格が古いままになっております。現在なんとか修正を試みてますが、今のところショップページの価格が最新となります。
Curion2 Contoured+ 特価品のご案内_c0179274_12271472.jpg
 
ご購入はこちらのサイトからお手続きいただけます。1本きりですので、ぜひご検討ください。https://runeguitar.cart.fc2.com/ca4/75/p-r-s/
それではよろしくお願いいたします。
次回はいつものお役立ちネタに戻ります。


 


# by Rune-guitar | 2023-07-27 12:37 | Curion
 古い記事では何度かご案内してるのですが、修理の合間にギターの制作もやっております。ほとんど夜中にこちょこちょやっているので、1年に1、2本しか作ってませんが、今回1本だけ完成したのでその紹介をさせてください。

Curion2 NEW MODELについて_c0179274_01575838.jpg
 デザインはよくストラトと間違われるのですが、右半分がテレキャスターで左はそれを元にダブルカッタウェイのラインを取りました。ヘッドはテレキャスターではなく、テレキャスターベースやオリジナルプレシジョンベースをイメージした形になってます。つまりはそのテレキャスターベースのギター版みたいなコンセプトです。

 僕は元々ストラトが大好きなんですが、これまでの修理経験からストラトが先天的に抱える問題を何とかしたいというのがありました。そもそもストラトはその構造上カスタマイズがやり易く様々な改造が施されてきましたが、その結果長い年月の間にオクターブチューニングに限界が生じるという問題が出てきたんです。

 根本的な原因は1950年代の設計をそのままに、部分部分その都度近代化していった事でしょう。最たるはフレットの数とサイズです。元のフレットは幅約2mm、高さ約1mmの今で言うナローサイズ。フレット数は21。これが70年代頃から太いフレットが流行り、最大で幅2.7mm高さ1.4mmくらいまで大型化していきます。この時フレットの高さが0.4mmほど上がるのに伴って、当然ナットもサドルも上がる事になります。するとナットからペグ、サドルからブリッジへの角度がキツクなり結果オクターブピッチがシャープします。
 またフレットの数もギブソンへの対抗策か22Fに拡張されていきますが、この時にネックエンドとピックガードの形はそのままに指板だけの延長で22Fを追加した為に、ネックがボディーから上に飛び出すようになりました。つまりここでもサドルの高さが上がる事になり、オクターブピッチはますますシャープします。

Curion2 NEW MODELについて_c0179274_15313924.jpg

 この辺が顕著に現れたのがアメリカンスタンダードストラトが出始めた頃。最初から太いフレットで22F仕様。6弦の低音部でピッチがシャープしてサドルでは合わせられないとの問い合わせを何件かいただいた覚えがあります。まあこれは昔からよく言われていてアメスタ以前にも改造物などで似たような現象はありました。よく6弦のサドルはスプリングが切り詰められていたりしてましたが、その根本はナットやサドル上の角度がきつくなった(というか摩擦抵抗が増えた)事によるものと僕は考えてます。

 
 Curionではそこの改善をコンセプトの1つに入れていて、オクターブピッチ、取り分け6弦3FのG辺りがちゃんと出るような設計にしてあります。その為に既存(一般的なストラトタイプ)の設計から変更したのはスケール、ナット位置、ブリッジ位置、ネックポケットの深さなど複数個所に及んでいて、長年の改造によるツケを一気に払った感じです。おかげでコードのまとまりがアップして歪ませた時のうねりも少なくなっています。
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 そんなバックボーンを持つCurionというモデルに長年考えていたブースターを搭載して、ここでひとつ僕の中での区切りになった気がしてます。現場を選ばない。レトロなルックスの割に中身はハイエンドという相反するような仕様。その他あちこちに仕掛けを施したルーンギターオリジナルモデル。
ぜひお試しください。
お問い合わせは
mail@runeguitar.com までお願いします。

# by Rune-guitar | 2023-07-24 03:23 | Curion

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