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Rune guitar

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ギターリペアマンの視点から、仕組みやパーツなどにまつわる話しを綴っています。

 ようやくカーブについての話しになります。
ボリュームポットの構造は前回のでだいたいおわかりいただけたと思いますが、仕組みは解ってもカーブは見ても何か違いが見える訳でもないので、動画を撮ってみました。
外部リンクになりますが、見てみて下さい。
 こちらでは静止画を挙げておきます。
ボリュームポット その3_c0179274_02425742.jpg
 前回でも使ったポットの基板部分です。テスターのマイナス側を1番端子に繋いで、プラス側を直接抵抗部分に当ててみましょう。
まずは3番寄りに当てて、全体の抵抗値を示します。これは500kΩのポットですね。カーブはAカーブ。

 ここでカーブの種類について軽く触れておきますね。
 カーブとはポットを回した時に抵抗値をどのように変化させるか、用途に応じて使いやすく設定したものです。
 3種類のカーブがあって、それぞれAカーブ(オーディオテーパー)、Bカーブ(リニアテーパー)、Cカーブ(リバースオーディオテーパー)と呼んでます。どこかしらに必ず抵抗値とカーブの表記があるので、画像参照してください。

ボリュームポット その3_c0179274_03151702.jpg
 Aカーブは音量調整用として、ノブを回した際の電圧の変化を、耳で聴いた時に自然な音量変化になるようアレンジされたもの。

ボリュームポット その3_c0179274_03172042.jpg
 Bカーブは電子回路の中で、回した分だけ電圧が均等に可変するようになってます。
パラメーターの調整用として使われる事が多いですね。
ボリュームポット その3_c0179274_03174509.jpg
 CカーブはAカーブの逆の働きをするようになっていて、わかりやすいのは左利き用ギターのボリューム。動きが反対になるので、Aカーブをそのまま逆配線したのでは音量変化が極端になってしまうんですね。
 あとはエフェクターのゲイン調整なんかに使われたりしますが、需要が少ないのであまり売ってないです。

 では具体的に何が違うのか、再び分解した基板を見てみましょう。
ボリュームポット その3_c0179274_03230362.jpg
まずボリューム0の状態。1番と2番が短絡して抵抗値は0。
ボリュームポット その3_c0179274_03251946.jpg
続いて半分くらいまでいくと抵抗値が少し増えてだいたい40kΩくらい。
 ノブの目盛りでいうと5ですが、数値で見ると半分の250kにはほど遠いです。
これがアレンジされた部分ですね。回した分だけ増えるBカーブとの違いです。Bカーブはここで250kになるように出来てます。
ボリュームポット その3_c0179274_03310460.jpg
 じゃAカーブでの250kはどこか?
ここです。ノブでいうともう7か8くらい。ここで半分。

 これを各カーブ毎にグラフにしたものがネットにたくさんあるので、興味ある方は探してみてください。Bカーブは判るけどAとCはどっちか解る人にしか解らない描き方なので、まあ覚える必要もないし何となくでOKです。

 結論としてはギターに使うカーブはほぼAカーブ一択です。間違ってBを買わないようにねって事です。Bもボリュームには使えなくないけど、立ち上がりが少し急になるので早く回すといきなり音量が上がった感じになります。メーカーによってはボリューム奏法がやりやすいなどのメリットがありますが、これは使ってみて判断かな。
 また、個人的にはトーンにBは無いかな。変化の仕方がボリュームよりも更に極端になります。有効幅が狭いというか、0か10かみたいな掛かりになるので、トーンにはAカーブ推奨です。

 さて、ようやくというか最後はちょっと駆け足だったけど、ボリュームポットってこんなヤツというのが伝わればよいなと思います。
 回路を追う時は、3番が入口で2番が出口。これが基本で、ジャズベースやグレッチなど2つのピックアップを2つのボリュームでブレンドして使う事をメインとしてる場合は逆になる場合もあります。1番はいずれの場合もグランドです。
 
 次回はまだ何も考えてませんが、何かリクエストがあればお寄せください。出来るものは取り上げてみたいと思っております。

それではまた。

# by Rune-guitar | 2023-05-27 02:37 | guitar repair
 前回はポット交換の際に気をつけるポイントとして、シャフトのネジ部の径、シャフトの径と形状についての話しをしましたが、今回は内部の話しをしようかと思います。
 ギターの配線自体はとても簡単なものだけど、信号の流れを追う時にパーツの構造がわかってないと躓いてしまうので、まずは構造などから。

ボリュームポット その2_c0179274_01041839.jpg
 ボリュームポット(可変抵抗器)の記号はこんな風に描きます。番号は各端子に割り当てられていて、1番と3番の間を2番が行ったり来たりする事で仕事をします。間のギザギザが信号を流れにくくする抵抗という部分。これは後で説明しますね。

ボリュームポット その2_c0179274_01045868.jpg
 図はピックアップからのシグナルが3番に入って、2番からジャックへ流れていく一般的な使い方。1番はアースに繋げておいて、1番2番が繋がると音が出なくなる仕組み。つまりボリューム0。3番と2番が繋がればピックアップからのシグナルが全てジャックに流れて音が出ます。これが10の状態。
ボリュームポット その2_c0179274_01053791.jpg


 では実際の部品を見てみよう。物によってはこんな感じにバラす事が可能。
この左2つのパーツが先の回路図の実際の姿。黒い部分がカーボンを塗った抵抗で、このレールの上をスライダーが滑る訳だ。
ボリュームポット その2_c0179274_01340954.jpg
 スライダーは内側と外側に接点があって、内側の接点は2番端子から出ているリング状の部分と接してます。外側の接点は黒い抵抗部分と接していて、その位置が1〜2番間と2〜3番間の抵抗値を分配している感じ。
ボリュームポット その2_c0179274_01350977.jpg
ボリュームポット その2_c0179274_01352403.jpg
ボリュームポット その2_c0179274_01085281.jpg
ナントカえもんみたいになってしまったが、先の記号だとこういう事。
 因みにトーンは別にトーン用のポットがある訳ではなく、大抵ボリュームと同じ物を使う。要は繋ぎ方の違いね。

ボリュームポット その2_c0179274_01205077.jpg
 さてそれではいよいよ本題、抵抗値とカーブについて。
 まず抵抗とは何ぞや? よく基板にくっついてる落花生みたいなマトリョーシカみたいなヤツ。それが抵抗。はい、コレです。
ボリュームポット その2_c0179274_19095442.jpg

 これは固定抵抗というヤツ。電気の流れるラインに組み込んで電圧を分配したり、制限する役目のもので、組み込んだら値をイジる事はないので固定抵抗ね。
 で、抵抗値とはその電気の流れにくさを表す数字で、大きいほど流れにくい。フィルターの目の細かさなどをイメージするとわかりやすいかも。単位はΩ(オーム)。
 リード線などにも僅かながら抵抗はあるので完全に0とはならないが、無視してよいレベルという事で0としてる。
 で、そのリード線と同様にピックアップのコイルにも抵抗値があるが、こちらは塵も積もればナンチャラで、何千ターンと巻き付けられてるコイルの抵抗値はキロ単位に。だいたいシングルコイルで6〜7kΩ、パワーのあるハムバッカーでは15kΩくらいのもある。

 そこでよく耳にするのは、シングルコイル用のポットは250kΩでハムバッカー用は500kΩを使うという呪文。これは電気的に正解の数字という訳ではなく、単にフェンダーがストラトに使っていた数値が250kで、ギブソンが使っていた数値が500k(昔は300k)てだけなんじゃないかな? 

 正直なところ、この呪文はかなり安易だと思う。理屈はしらんがとりあえずこれだけ覚えとけばOK、みたいな感じであまり好きではないです。
 実際、8kくらいならシングルコイルもハムバッカーも存在するので、それをシングルだから250kとかハムバッカーだから500kとするのはちょっとね。間違いはないんだけどね。

 ただそれ以外にも選択の方法がある訳で、例えば抵抗値が大きいとハイが残ってゲインも多少稼げるが、反面ノイズが目立ちやすいデメリットがある。逆に小さいとややおとなしめで落ち着いたトーンになり、ノイズも抑え気味になるとか。楽器店時代の大先輩はこれを "感度のようなもんと思って" と教えてくれたが、すごくイメージしやすい表現だと思う。
 未だにピックアップ交換の時、ポットどうしようか迷う事あります。シングルからハムに変える時に、元のピックアップが8kで250kのポットが着いてるところを10kくらいの物に変える場合とかね。

 そう、あと1つ2つ違う値のポットがあればよいなと思う。380kとかあったら使ってみたいな。

 因みに10%くらいの製品ムラは普通にあるので、実測すると思わぬ数値に遭遇する事はあります。


 また今回も長くなってきたので、カーブについてはまた次回に。特種なポットなども紹介してみようか。

それではまた。
 

# by Rune-guitar | 2023-05-16 01:30 | guitar repair
ボリュームポット_c0179274_01400660.jpg
 前回のレバースイッチに続いて、今回はボリュームポットの話しを少々。

 ポット。この呼び名はよく "ポッド" と間違われる事が多いが、ポテンショメーター(potentiometer)の略なので、ポッドではなくポットが正解。
日本語では可変抵抗器と呼ばれるけど、抵抗とは電気を流す量を制限するもので、その値が変えられる事から可変抵抗な訳です。まあ具体的な構造は次回やるとして、今回はどんな種類があるのかを紹介してみましょう。
 皆さんが迷うのはおそらく交換の際にどれを買えばよいかだと思うので、メーカーやサイズ、抵抗値などの説明をしていこう。

ボリュームポット_c0179274_01405968.jpg
ボリュームポット_c0179274_12235286.jpg
 ポットを選ぶのに必要な情報は、各部のサイズと形状および抵抗値。サイズはケースの大きさもあるけど、これは24パイか16パイの2つしか無い。むしろ取り付ける際に注意が必要なのはネジ部やシャフトの方だったり。
 よく耳にするインチサイズ、ミリサイズ。実際のところこれが一番厄介なのではないかと思う。

 なぜこれが厄介かと言えば、実際には誤差とかそういうレベルではなくそもそも別の物と言っていいくらい違うものを、インチとかミリとかなんだか見ても判らなそうな微妙に違うような言い方するから迷うのだ。

 インチとはアメリカで使われている単位で、1インチは約25.4mm。メーカーで言うと有名なのはCTSやBOURNSなど。この2社はどちらもほぼ同じサイズなので、ひっくるめてインチサイズと呼んでいる。本来は分数での表記になるが、覚えにくいのでここではなるべくミリ表記する。
 一方ミリは国産メーカーやアメリカ以外のメーカーで使われてる単位だが、パーツの知名度やグレード的にアメリカ以外のメーカーでもポットにはCTSやBOURNSを使ってたりするので、ギターのブランドでは判別出来ないと思ってた方がよい。
 一番間違いないのは実測だが、見た目で分からなくもないので画像参照してください。
 
ボリュームポット_c0179274_01453738.jpg
ボリュームポット_c0179274_01461052.jpg
ボリュームポット_c0179274_01462304.jpg
ボリュームポット_c0179274_11255461.jpg
 横から見ると差がわかりやすいかも。こんな感じ。因みに書き出しから2枚目のポットが2つ写ってる画像では、左側のが大きいけどネジ部はミリ仕様のM8で、右の小さい方は3/8インチ約9.5mmとなってる。
 まとめるとギターで使われるネジ部の太さは、ミリ仕様のM7(7mm)、M8(8mm)とインチ仕様の3/8”(約9.5mm)。ほぼこの3種類と思っていい。
 当然ながら取り付け穴と異なるポットを使いたい場合は、穴を広げたり各種アダプターを使うなどして対応する事になる。こういうヤツ→MONTREUX ( モントルー ) / Pot Adaptor 8mm-3/8"(4)[9163]

 あとはネジ部の長さもあるけど、これはギターによってチョイスされているので、外してから測ってみてね。画像はレスポールなどに使われてるロングシャフト。
ボリュームポット_c0179274_01420309.jpg
ミリ仕様に長さの種類はあまり無いが、CTSは3〜4種類ある。普通は9.5mmだけどもっと短いのとか、1/2インチ(約12.7mm)なんかもあるにはある。


ボリュームポット_c0179274_01425504.jpg
ボリュームポット_c0179274_01431010.jpg
 次はノブを差し込むシャフトの形。ココが変わってしまうとノブの種類によっては取り付けられなくなるので、注意が必要。
 ここもインチだミリだ言われてるが、よく勘違いされてるのはミリは6mm径でインチは1/4インチ6.35mmというもの。これ間違いではないのだけど、このギザギザが付いてるタイプはスプリットシャフトといって、径はインチもミリもほぼ同じ6mm。
違いはローレット(ギザギザ)の数で、ティース(teeth)という単位で呼びます。
ボリュームポット_c0179274_01445895.jpg
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最近のフェンダー系プラスチックノブはもう兼用になってるからこの違いに問題は無い。マズいのはギブソン系のアクリルノブだ。成型の段階でノブの穴にギザギザが刻まれてるので、これが異なると挿し込めなかったり最悪割れたりする事も。
ボリュームポット_c0179274_12150084.jpg
 小さくて見えみくいかもしれないが、元のアクリルノブを使いたい場合はここに気をつけよう。18teethのポットからCTSなど24teethのポットに交換するのなら、ノブも新調しないとダメ。もしくはCTSポットでミリ用M8の18TEETHが売ってるので、そちらを選ぶのもアリ。
SCUD ( スカッド ) / CTS-A500MM CTS製ミリサイズ互換ポット
抵抗値250kもあります。

 このようにネジ部の径とシャフトの形で既にこんな状態だが、更に言えばギブソンのポットはこれまた独自のサイズなので、ポットをCTSに交換するとノブが緩くなる。逆にギブソンのポットにインチ用ノブはキツくて付かない事がある。この差はたぶんコンマ1くらいで見てもわからない。ここはもうノブとセットで交換するか、ギブソンパーツで揃えるしかない。

 そしてもう一つ。スプリットシャフトに対してソリッドシャフトというのがある。こちらはローレットも先割れも無いただの丸棒シャフト。
ボリュームポット_c0179274_10204069.jpg
ボリュームポット_c0179274_01452186.jpg
 コチラは正しく径が6.35mとやや太くなってる。ノブはメタルノブなど横からネジで固定するタイプでないと取り付けられない。メタルノブは取り付け穴が6mmと6.35mmの2種類があるので選ぶ時は穴のサイズをしっかり確認しよう。
 先のアクリルノブ同様、交換時にここの仕様が変わるとやはりノブが合わなくなる事がある。例えば6.35mm穴のノブにスプリットシャフトは細すぎて操作の際にセンターがズレて軸ブレする。また留めネジの位置が適切でないとシャフトを痛めてしまう事もある。
 
ボリュームポット_c0179274_12374296.jpg

 この辺の対策は便利グッズが販売されてるので、ソリッドからスプリットにする場合はそちらを使う事もおすすめする。
MONTREUX ( モントルー ) / Pot Brass Sleeve (5) [8342]
とか

MONTREUX ( モントルー ) / Pot Spacer for CTS (10)
とか。

もしくはスプリットシャフト用のメタルノブを使うのも手だ。
ボリュームポット_c0179274_12282192.jpg
ネジ止めではなく差し込み式。ナイロンブッシュのような感じでメタルノブのくせに触れてもアース落ちないけど、逆にメタルノブ特有のチリチリノイズも出ない。



 とりあえずポット交換に関するポイントをざっと挙げてみたつもりが、なんかノブの話しになってるし。

ちょっと長くなったので一旦終了します。

 次回は抵抗値と内部の構造についてやってみる予定。

# by Rune-guitar | 2023-05-10 01:19 | guitar repair

by Runeguitar