ようやくカーブについての話しになります。
ボリュームポットの構造は前回のでだいたいおわかりいただけたと思いますが、仕組みは解ってもカーブは見ても何か違いが見える訳でもないので、動画を撮ってみました。
外部リンクになりますが、見てみて下さい。
こちらでは静止画を挙げておきます。
前回でも使ったポットの基板部分です。テスターのマイナス側を1番端子に繋いで、プラス側を直接抵抗部分に当ててみましょう。
まずは3番寄りに当てて、全体の抵抗値を示します。これは500kΩのポットですね。カーブはAカーブ。
ここでカーブの種類について軽く触れておきますね。
カーブとはポットを回した時に抵抗値をどのように変化させるか、用途に応じて使いやすく設定したものです。
3種類のカーブがあって、それぞれAカーブ(オーディオテーパー)、Bカーブ(リニアテーパー)、Cカーブ(リバースオーディオテーパー)と呼んでます。どこかしらに必ず抵抗値とカーブの表記があるので、画像参照してください。
Aカーブは音量調整用として、ノブを回した際の電圧の変化を、耳で聴いた時に自然な音量変化になるようアレンジされたもの。
Bカーブは電子回路の中で、回した分だけ電圧が均等に可変するようになってます。
パラメーターの調整用として使われる事が多いですね。
CカーブはAカーブの逆の働きをするようになっていて、わかりやすいのは左利き用ギターのボリューム。動きが反対になるので、Aカーブをそのまま逆配線したのでは音量変化が極端になってしまうんですね。
あとはエフェクターのゲイン調整なんかに使われたりしますが、需要が少ないのであまり売ってないです。
では具体的に何が違うのか、再び分解した基板を見てみましょう。
まずボリューム0の状態。1番と2番が短絡して抵抗値は0。
続いて半分くらいまでいくと抵抗値が少し増えてだいたい40kΩくらい。
ノブの目盛りでいうと5ですが、数値で見ると半分の250kにはほど遠いです。
これがアレンジされた部分ですね。回した分だけ増えるBカーブとの違いです。Bカーブはここで250kになるように出来てます。
じゃAカーブでの250kはどこか?
ここです。ノブでいうともう7か8くらい。ここで半分。
これを各カーブ毎にグラフにしたものがネットにたくさんあるので、興味ある方は探してみてください。Bカーブは判るけどAとCはどっちか解る人にしか解らない描き方なので、まあ覚える必要もないし何となくでOKです。
結論としてはギターに使うカーブはほぼAカーブ一択です。間違ってBを買わないようにねって事です。Bもボリュームには使えなくないけど、立ち上がりが少し急になるので早く回すといきなり音量が上がった感じになります。メーカーによってはボリューム奏法がやりやすいなどのメリットがありますが、これは使ってみて判断かな。
また、個人的にはトーンにBは無いかな。変化の仕方がボリュームよりも更に極端になります。有効幅が狭いというか、0か10かみたいな掛かりになるので、トーンにはAカーブ推奨です。
さて、ようやくというか最後はちょっと駆け足だったけど、ボリュームポットってこんなヤツというのが伝わればよいなと思います。
回路を追う時は、3番が入口で2番が出口。これが基本で、ジャズベースやグレッチなど2つのピックアップを2つのボリュームでブレンドして使う事をメインとしてる場合は逆になる場合もあります。1番はいずれの場合もグランドです。
次回はまだ何も考えてませんが、何かリクエストがあればお寄せください。出来るものは取り上げてみたいと思っております。
それではまた。